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第135号　2020年 12月
株式会社タカネットサービス
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>> 春夏秋冬 <<

上場陸運大手の２０２１年３月期の中間決算が出そろい、宅配便が主力のヤマトホールディングス、佐川急便を事業会社とするＳＧホールディングス２社が増収増益と圧勝し、日本通運、日立物流、セイノーホールディングスといった総合物流や特積み大手は売上高を減らすなど苦戦が鮮明になりました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に「巣ごもり」需要が拡大する一方、国際物流や国内メーカーの生産量の落ち込みなどが響いたようです。売上高が落ち込む中、どう利益を確保していくのか、各社とも悩ましい課題を克服していかねばならない訳ですが、その意味では「知恵」の出しどころということになります。取引先により荷動きには「濃淡」がありますが、ここは一息入れ、輸送サービス品質や業務改善、更には従業員満足度の確認など、足元をゆっくり見直す時間に費やしたら如何でしょうか。
営業倉庫の入出庫が過去５年で最多／国交省

国土交通省がこのほど発表した営業倉庫（主要２１社）の９月の取り扱い実績によると、入庫高・出庫高・保管残高（数量ベース）が同月実績としては過去５年間で最も多くなりました。入庫高は前年同月比３・７％増の２５１万トン、出庫高も１・５％増の２５３トンでした。品目別の入庫高では、伸び率が高かったのが「その他の日用品」（６６・６％増）、次いで「その他の化学工業品」（５０・６％増）、砂糖（４２・９％増）などです。また、保管残高は５３４万トンでした。この統計対象になっている２１社は全国の普通倉庫事業者が所管する面積の１６％を占めています。
運輸業の後継者不在５３％／ＴＳＲ調査

東京商工リサーチ（ＴＳＲ）が調査した「後継者不在率」（２０２０年）によると、運輸業の場合５３・７％で、前年の調査と比べて１・７％増えました。産業別でみると、最も高いのが情報通信業の７５・６％、次いで、サービス業６３・３％、小売業６０・７％などです。また「後継者あり」では同族継承が６７・４％、従業員への継承１７・２％、社外の人材に継承する１４・９％となっています。なお、運輸業は全産業の平均値５７・５％より低かったのですが、後継者不在の実態が深刻なことが浮き上がっています。

中間決算、取扱個数増で増収増益／ＳＧＨＤ

佐川急便を中核会社に持つＳＧホールディングスの２０２１年３月期の中間決算は売上高が前年同期比８％増の６３４８億円、営業利益も４１％増の５２４億円と増収増益でした。荷動き全般が低迷する中、働き方や消費者のライフスタイルの変化によるｅコマース市場の拡大などを受け、取扱個数が前期比４％増の６億８６００万個と増えました。なお、ＳＧＨＤでは日立物流との経営統合を視野に入れた資本業務提携を締結していましたが、経営環境の変化に伴い、事実上、解消しました。
太田国際貨物ターミナル買収／ニッコンＨＤ

ニッコンホールディングスは傘下の日本運輸（ОＩＣＴ、本社・群馬県大泉町）が太田国際貨物ターミナル（群馬県太田市）の株式を取得することで合意しましたと発表しました。航空貨物や海上貨物を取り扱うОＩＣＴを買収することで輸出入業に参入し、一貫物流業務の領域を自社グループで事業展開していきます。
求荷・求車情報にアンバランス／トランコム

トランコムによると、求貨・求荷事業の「物流情報サービス」の２０２１年度中間期の売上高は前年同期比１７％減の３７６億円でした。貨物情報件数（荷物あります）が８４万件と３７％減ったことから成約件数も１５％減の６０万件となりました。新型コロナウイルスの感染症拡大の影響から「求荷」が減り「求車」が大幅に増えています。
医薬品物流の埼玉・三郷センター竣工／三菱倉庫

三菱倉庫はこのほど埼玉県・三郷市で建設していた「三郷２期配送センター」が竣工しました。多層階建て、延べ床面積２万７７００万平方メートルで、１期棟と併せて総延べ床面積は５万５５００平方メートルとなります。医薬品の適性流通（ＧＤＰ）ガイドラインに対応する高品質な医薬品物流サービスを提供していきます。