総合ソリューションパートナー
第163号 2023年 4月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号トラック業界で「2024年問題」が話題に上らない日はないようです。トラック運転手に年間960時間の時間外労働の上限規制が適用される2024年4月までに、残すところ1年を切ったからです。トラック業界では、もともとドライバー不足が常態化しており、そこに労働時間の短縮が追い打ちをかけ、運べない事態が生じかねない、という訳です。既に、大手企業などはトラックから鉄道・フェリーへのモーダルシフトの推進をはじめ、中継輸送の実施、さらには荷役分離による労働時間の短縮などに取り組んでいますが、残念ながら、まだまだ、業界全体の取り組みにはなっていません。それにしても物流の主役が「民」であることには変わりありませんが、物流寸断による混乱を回避するためにも、業界関係者は個々の企業の問題としてではなく、行政、荷主、消費者を巻き込みなど、業界全体の問題として捉えて対応していくことが不可欠です。それが課題解決の近道になることは間違いありません。
運輸業界の2023年の春の賃金引上げは、大手が先行して前年実績を大きく上回る金額で解決しました。日本通運の労働組合「全日通労働組合」が加盟している運輸労連(本部・東京)や交通労連(同)によると、全日通が1万550円(前年3380円)、エスラインギフ7716円(3053円)、中越運送7000円(4800円)、岡山県貨物運送7091円(5070円)などと、それぞれ前年実績を大きく上回っています。
東京都トラック運送事業協同組合(東ト協連)が行った「運賃動向に関するアンケート調査」で、運賃交渉の成果としての改善は見られたが「希望より低い収受実態」にあることが分かりました。「現行の収受料金は、希望する運賃に比べてどうか」の質問では「低い」と回答した割合が85・8%、「希望通り」が14・2%でした。前回調査に比べて「低い」は1・4ポイント低下、「希望通り」は1・4ポイント増加しており、荷主側の 理解も多少ながら進んでいるようです。
首都圏に店舗展開する大手スーパー4社が物流効率化をめざして「首都圏SМ物流研究会」を発足しました。参画企業はサミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーションで、首都圏に店舗・物流センター網を整備しており、それぞれ近接していることから、企業間の壁を越え、物流効率化を進めてスーパーの将来にわたって食料品の安定的な配送の実現をめざしていくことになりました。
セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市)は4月1日付けで、輸送グループの中核4社が統合して「新・西濃運輸」をスタートさせました。4社の統合では、西濃運輸を存続会社として関東西濃運輸、東海西濃運輸、濃飛西濃運輸の3社を統合しました。幹線車の運行効率化による運行コストの削減するほか、今後のドライバー不足に対応した幹線ネットワークの強靭化にも注力してきます。
センコーグループホールディングス(GHD、本社・東京)はこのほど日制警備保障(本社・東京)の全株式を取得し、完全子会社化しました。日制警備は、東京、神奈川に事業所を構え、大手ゼネコンの建築現場での交通誘導や重機誘導、大学での常駐警備などを主事業としており、従業員355人(2022年6月時点)の規模。センコーGHDでは、人材が必要なさまざまな業種や業界への事業拡大を図り、総合人材ビジネス事業の拡大に取り組みます。
福山通運(本社・広島県福山市)はグループ会社を含め地方自治体との間で「災害時における物資輸送等に関する協定」を積極的に締結しています。直近では兵庫県加西市、香川県東かがわ市、千葉県佐匝瑳市などの各自治体と締結しました。現在、こうした締結は約50自治体になっており、引き続き、地方自治体との協定締結を行っていきます。
季節は4月、新しい年度がスタートしました。事業計画に沿って動き出した取引先様も少なくないと思いますが、小社でも先月から売り出した投資商品「投資 deスグのり」を企画、販売開始しました。 専門紙やウェブ・ニュースなどに取り上げられましたが、ご興味のある方は、ご一報くだされば幸いです。引き続き、お取引先様の経営支援を担うべき、全社一丸となって取り組みます。 西口