総合ソリューションパートナー
第78号 2016年 3月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号トラック業界では、企業の規模を問わずに「一服感」が強いようです。トラック主力の上場企業31社の2015年4~12月期(第3四半期)の決算が出揃い、28社、9割の企業が経常増益を確保しました。このうち5社は売上高を減らしましたが、全5社が増益。一方、減益も1割となる5社ありました。好調な理由は軽油価格の下落が最も大きな要因ですが、収受運賃の底上げ、業務の見直しに伴う諸コストの引き下げ、更にМ&A(合併・買収)効果なども寄与したようです。ちなみな特積業界最大手のセイノーホールディングス(西濃運輸)では、支払燃料費が前年同期144億円から今期は111億円と大幅に減少しました。しかし「あくまで軽油価格の下落による儲けであり、手放しでは喜んでいられない」ということも大半の事業者が口にしていることです。取引先各位でも間もなく3月本決算に向けて追い込みに忙しいとは思いますが、果たして、いかがでしょうか。
国土交通省、厚生労働省が発表したトラック輸送状況の実態調査によると、ドライバーの拘束時間は1運行当たり13時間超のケースが36・6%、16時間超も13・0%になっており、改善基準告示を順守できていない「長時間労働」の実態が改めて浮き彫りになりました。地域別では九州、輸送品類別では農水産品が、特に長かったようです。また、休息期間8時間未満が15・8%、連続運転時間4時間超は10・7%で、いずれも大型車の占める割合が高くなっています。
国土交通省はこのほど運転者の定期健康診断への交付金(運輸事業振興助成交付金)による助成を認めることになりました。13年度から3年間に限り認めていたもので、継続して容認することになりました。自動車局貨物課長名で、1月29日付で地方運輸局自動車部長と沖縄総合事務局運輸部長、全日本トラック協会の星野良三会長宛てに通達しました。
西濃運輸(本社・岐阜県大垣市)はこのほど東京・江東区に首都圏の旗艦店となる「東京支店・東京物流センター」を開設しました。地上6階建て、延べ床面積7万3300平方メートル。保管型の物流センター及び通貨型のトラックターミナルの機能を組み合わせた複合施設であり、保管から輸配送まで切れ目のない物流サービスを提供していきます。
UDトラックはこのほどいすゞ自動車から中型トラックのOEМ(相手先ブランドによる生産)供給を受けることで基本合意した、と発表しました。今後、部品供給や品質管理の取り扱いなど詳細に関する最終合意を条件として、UDでは2017年をめどに、いすゞから日本市場向けの新車両を導入、国内向け中型トラックの生産を終了する予定です。
中日本高速道路が建設を進めていた新東名高速道路の愛知県区間(浜松いなさJCT-豊田東JCT)の延長55キロメートルが2月13日、開通しました。この結果、新東名の総延長200キロとなり、神奈川県から愛知県まで東名高速道路との「ダブルネットワーク」が形成されました。現在、残る区間となる海老名南JCT-御殿場JCT(神奈川県)は20年度中の供用開始を目指しています。
全国中堅トラック会社51社が加盟し、求荷・求車事業を行っているJTP(渡辺雅之理事長、ジャパン・トランスポート・パートナーズシステム)の2015年9月期(14年10~15年9月)の取引額実績は、前期比8・8%増の128億円、1社当たりの月額平均では2060万円となりました。現在トラック業界では、日本貨物運送協同組合の「KIT」やJL連合会の「ローカルネットワーク」、また、民間会社ではトランコム(本社・名古屋市)などがそれぞれ求貨・求車事業を行っています。
荷動きの低迷感が再び強まってきたようです。軽油価格も下がっており、早くも値上げ交渉を手控える動きもあるとか。そう「弱気」にならずに、労働環境の改善に向け、何とか「強気」でいきたいものです。本決算も間近か、です。 西口