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TNSニュース2024年7月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号物流業界では「再編」の動きが以前にも増して活発になってきているようです。本号にも SGホールディングスがC&FロジホールディングスへのTОB(株式公開会買い付け)の実施、セイノーホールディングスは三菱電機ロジスティクスのМ&A(合併・買収)による子会社化など関連記事が掲載されています。直近では、ロジスティード(旧・日立物流)のアルプス物流への友好的TОBなども関心が集まっていますが、これらの案件はいずれも物流業界の再編を予想するのに十分過ぎる材料と言えます。トラック業界はドライバー不足の深刻化や適正運賃の収受といった課題を抱える中、TОB やМ&A が、なぜ頻発しているのかーー経営陣は企業の規模を問わず、このことを「自社」の問題として、どう対応していくべきか、試しに各社がシュミレーションしてもるのも良いかも知れません。
セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市)は三菱電機が保有する三菱電機ロジスティクス(本社・東京)の株式の66・6%を取得する契約を締結、子会社化します。セイノーHDは三菱電機ロジが持つ半導体や精密機械の輸送に関するノウハウを吸収し、特殊輸送やロジスティクスセンターの管理・運営を強化しエレクトロニクス領域への対応力を高めていきます。一方、三菱電機はセイノーHDの輸送インフラやネットワークを活用、安定的な供給網の確立を図ります。買収価格は約573億円でセイノーグループ最大のМ&Aです。株式の取引完了などは10月1日を予定しています。
センコーグループホールディングス傘下のセンコー(本社・大阪)は、スキマバイトサービス「タイミー」を提供するタイミー(本社・東京)と物流センター運営の実証実験の開始に向け合意しました。既に6月から千葉・印西エリアと埼玉・浦和エリアで、スポットワーカー活用を前提とした物流センター運営に着手しており、庫内のスポットワーカー比率を高め、働きやすい拠点を検証します。将来的には経験やスキルを身につけ、キャリアアップできる仕組みや業界の繁閑に合わせた労働力移動をめざしていきます。
低温食品物流を手掛けるC&Fロジホールディングス(本社・東京)は、宅配便大手・佐川急便を擁するSGホールディングス(本社・京都市)の子会社となることが決まりました。SGHDでは7月12日までに1株5740円で株式公開買い付け(TОB)します。C&Fロジに対しては3PL事業を展開するAZ―CОМ丸和ホールディングス(本社・埼玉県吉川市)が1株3000円で TОB を実施していましたが、SGHDが圧倒的な高値で名乗りを上げた格好で、決着がつくことになりました。
福山通運(本社・広島県福山市)はこのほど茨城県猿島郡五霞町に「いばらき五霞支店」を新設しました。敷地面積1万6100平方メートル、地上3階建て、延べ床面積4万7700平方メートルの規模です。ターミナル機能と共に流通倉庫を備えた複合施設でロジスティクス事業の強化に取り組みます。来年3月には自動仕分け装置が導入されます。圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の五霞インターチェンジから1キロメートルと近くに立地しています。
埼玉県の秩父市生活交通・物流融合推進協議会は6月はじめ、秩父市内でヤマト運輸(本社・東京)、西濃運輸(本社・岐阜県大垣市)、福山通運(本社・広島県福山市)の3社による共同配送サービス「おむす便」の提供を開始しました。秩父市内にあるヤマト運輸の影森営業所に3社の荷物を集約、そこから地元の事業者が3社の荷物を市街地から離れた山間地区「大滝地域」の配達先へ宅配します。
神奈川県トラック協会が実施した「物流2024年問題」によると運送業関係者にドライバー不足を解決する策を聞いたところ「荷物を運ぶ適正な運賃や送料の値上げに理解を示す」が71・2%(複数回答)と最も多く、次いで「ドライバーの待遇改善」も同程度の71・1%でした。一方、一般消費者に聞いたところ「名称も内容も理解」35・6%、「名称も内容も分からない」29・2%でした。神ト協では業界関係者約1000人、一般消費者3000人からの回答分を集約・分析しました。
先般、低温物流の中堅の南日本運輸倉庫のグループ会社・栃木パーツを株式取得で子会社化しました。同社は法人・個人から中古自動車を買い取り、解体、リサイクル可能部品はリビルト部品(中古車再生部品)として販売しています。小社は今回のМ&A でリビルト部品の安定的な調達が可能となるなど、お得意先の皆さまにはサービス強化につながると確信しています。 西口