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第24号 2011年 9月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号国土交通省は8月 25 日、東日本大震災の復興支援を目的とした東北地方の高速道路無料化のうち、トラックなど中型車以上の無料化を当初の予定通リ8月末で打ち切ることにしました。業界関係者などによると、中型以上の無料化を巡っては、被災地への物資輸送と無関係の車両が悪用するなどで料金を払わずに通行する例が横行し社会的な問題となってしまいました。今回、予定通りの「打ち切り」は、こんな悪事が拍車を掛けたからかも知れません。ちなみに、被災・罹災証明書を持った被災者や原発事故の避難者が運転、同乗する車両の無料化は中型車以上を含めて継続していきます。いずれにしても全日本トラック協会などでは「運送業界のイメージの低下を招くことになる」として是正指導を強めましたが、期待通りに事が進展しなかったことだけは間違いないようです。
上場する陸運大手の 2011 年度第1四半期(4-6)月期の業績は、東日本大震災の影響なども心配されましたが、復旧に向けた動きも早く立ち直ったことから、各社とも順調に業績を伸ばしました。日立物流は売上高を大きく伸ばしましたが、これは自動車部品物流大手のバンテックを買収したことによるものです。
<陸運大手5社の業績概要> | ||
<企業名> | <連結売上高> | <経常利益> |
日本通運 | 398,375(▲0.0) | 10,605( 25.1) |
ヤマトHD | 294,234( 3.3) | 8,027( 72.4) |
日立物流 | 134,239( 52.9) | 5,278( 32.9) |
セイノーHD | 115,307(▲5.3) | 3,243(▲3.9) |
福山通運 | 62,246(▲1.1) | 3,702(▲5.2) |
※カッコ内は前年同期比増減率%、▲は減少
物流大手センコー(本社・大阪)は流通商社のスマイル(本社・東京)の株式を 50 億円で買収します。現在、9月 26 日付で行います。スマイルは包装資材をはじめ、酒類、食品などの各事業で、調達、物流、販売を手掛けており、今後は、センコーとともに取り組むことになりました。スマイルの連結売上高は273 億円(2010 年 12 月期実績)で、下期の業績から上乗せ反映されることになります。
日通総合研究所(本社・東京)はアンケート調査「東日本大震災によるわが国生産・調達システムへの影響」を実施しました。同調査によると現在東北地方で「生産」している企業に「国内の他の地域や海外にシフトする考えはあるか」と聞くと全回答177(複数回答)のうち「生産を継続」は 134 事業所(75.7%)で全体の4分の3程度に。一方、原材料・部品などの調達関連で「国内の他地域や海外にシフトするか」に関して聞いてみると「現状通り東北から行う」は全回答 500(複数回答)のうち 242 事業所(48.4%)となり過半数割れとなりました。
日本ロジスティクス協会(JILS)がまとめた2010 年度物流システム機器生産出荷統計による総売上高は 2955 億円(前年度比9%増)でした。内訳は自動倉庫が 639 億円、台車 403 億円、コンベア 771億円、倉庫管理システム 252 億円などでした。
国土交通省がまとめた東日本大震災に伴うトラックによる緊急物資輸送は延べ1万 629 両が出動したことが分った。内訳では政府要請に基づく全日本トラック協会の協力分が 1927 両、都道府県の要請による各トラック協会の輸送が 8702 両となっています。6月末までの分を集計しました。
適正化機関の全日本トラック協会は、このほど2011 年度貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)の申請を受け付け、全 8115 事業所の申請を受理しました。内訳は新規 3115、認定の有効期間が満了する 09 年度の更新申請が 2208、08 年度の更新申請 1387、07 年度の更新申請 1405 件となり、更新申請は合計で 5000 事業所です。全ト協では 12 月をメドに認定業者を決め、公表する予定です。
これから本格的な秋となります。この季節は“豊穣の秋”ではないですが、これまでの取り組みなどが、一気に花咲く季節として期待したいですね。皆さんとともに前進していきたいと考えています。引き続き、ご支援下さい。 西口