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第19号 2011年 4月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号東日本大震災で被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。そして1日も早い復旧・立ち直りを中心より祈念しております。ちなみに政府は、東日本大震災で損壊した道路や港湾、住宅などの直接的な被害額は 16 兆円-25 兆円になるとの試算を発表しましたが、被災地が広範囲に及び、1995 年の阪神大震災の被害規模(約 10兆円)を大きく上回っています。具体的には①工場や民間住宅などの建築物②電気・ガスなどの基礎インフラ③道路や港湾、空港といった社会資本――の3つの試算を中心に被害額をまとめたものです。これには原発事敀による放射能汚染などの影響は含まれず、被害総額がさらに膨らむことは確実です。こうした中、トラック業界には、どんな影響を及ぶことになるのか――。現在のところ、全日本トラック協会では緊急物資輸送などに追われていますが、工場の操業停止などを受けて物流需要が落ち込むことは間違いありません。企業によっては操業を開始したところもありますが、操業の見通しが全く立たないなど震災が残した傷跡は大き過ぎます。政府および全ト協では、特に東北6県のトラック事業者の復活に向けての支援策を急ぐべきです。
日立物流(本社・東京都江東区)は、バンテック(本社・神奈川県川崎市)を TOB(株式公開買い付け)で買収することになりました。日立物流は子会社化することで①自動車関連物流の「プラットホームづくり」②国際物流市場におけるネットワークの拡充③業務の相互補完によるシナジー効果の追求――などを進めていきます。バンテックは、日産自動車系の自動車部品物流大手で東京証券取引所1部に上場しており、2010 年3月期の連結売上高は 1136億円で、11 年3月期では 1330 億円を見込んでいます。なお、日立物流は 13 年3月期において連結売上高 5000 億円達成を目指しています。
国土交通省はこのほど「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」の「最低保有車両台数・適正運賃収受ワーキンググループ」(WG)を開催、意見交換を行いました。今回の WG では、昨年 11 月に実施したトラック運送事業者へのアンケート調査の結果、法令違反の状況、適正化実施機関による巡回指導の状況、経営状況などが報告されました。実態調査の結果については委員から「最低車両数は現行の5台から引き上げた方が良い」「元請と下請の取引実態を調べる必要がある」「最低車両台数の引き上げには、さらに別のデータが必要だ」「最低車両は経営がうまくいかないから引き上げる、といった視点では政策の視点での議論が必要」といった各種の意見がありました。
警察庁がまとめた 2010 年中の交通事敀の発生状況によると、事業用貨物車が「第1当事者」となった交通事敀件数は前年比 455 件増の2万 5447 件(前年比 1.8%増)となり、7年ぶりに増加に転じました。しかし、交通事敀発生件数全体をみると、1万 1701件減の 72 万 5773 件(1.6%減)と、6年連続で減少しました。
全日本トラック協会(本部・東京都新宿区)は安全対策の一環としての中型運転制度見直しに対する取り組みの中で、普通運転免許の範囲を現行の車両総重量5トン未満から「6.5 トン未満まで引き上げること」などを盛り込んだ「要望書」を警察庁に提出しました。今後は、要望活動を全国のトラック協会にまで広げ、実現させていきます。
関東地方整備局、関東運輸局などは 45 フィート国際海上コンテナの国内輸送の対応に向けた首都圏初の実証実験を行いました。この結果往復とも公道での右左折時や運転操作性に支障はなく、積載されている貨物も荷崩れはなかったようです。関係者は国内での運用実現に引き続き取り組みます。
東日本大震災の影響は、これからも思わぬところで「露見」されることになるでしょう。私たちスタッフ全員は、震災に負けることなく頑張ります。引き続き、ご支援ご鞭撻をお願い致します。 西口