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第7号 2010年 4月号
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号全日本トラック協会が“事業仕分け”の対象の一つとなりそう――。枝野幸男・行政刷新担当相が国所管の公益法人の“仕分け”に当たって 300 近い法人にヒヤリングすることを明らかにしましたが、この中には「全ト協」も対象法人となっていることが分り、トラック業界関係者を改めて驚かせています。今月中には仕分けの対象が抽出されますが、果たして、その折、全ト協はどうなのか。
先月開催された全ト協の通常総会でも関心事の一つとして多いに話題となったようです。交付金のお金が大きく削減されるのではないのか。行政刷新会議では役職員の天下りや交付金(運輸事業振興助成交付金)を原資とする基金などについて着目しているといいます。トラック業界は中小・零細企業が圧倒的に多い業界ですから、様々な支援がほしい、というのがトラック業界関係者の本音のようです。
全日本トラック協会は3月に開催された総会で、2010 年度の事業計画を全会一致で決定しました。同事業計画は①適正運賃の収受②自動車関係諸税の負担軽減・簡素化の実現③環境税の導入反対④高速道路通行料金問題への適切な対応――などの 10 項目となっています。一般会計は4億8849万円、交付金(運輸事業振興助成交付金)特別会計の事業活動費が 55 億9700万円の予算となっています。
関東運送事業協同組合が会員にアンケート調査したところ、高速道路の無料化に 76%の人たちが「反対」していることが分りました。関東運送協は高速道路通行料金の割引制度を利用するトラック協同組合の最大手で、年間の高速道路料金利用額は 151 億円(2008 年度実績)となっています。組合員は、大口・多頻度割引により、平均 26%程度の割引を受けています。
トラック労組の上部団体である運輸労連(全日本運輸産業労働組合連合会)は3月中旬、民主党に対して暫定税率の廃止や市街地での放置・駐車取り締まりの問題などで「要望書」を提出しました。とくに、放置車両の取り締まりについては「営業用トラックが集中的に行われる現実がある」として①営業用車両の駐車規制からの排除②積み下ろし時間の延長③専用パーキングや荷捌きスペースの拡充・整備――などを改めて要望しました。
全日本トラック協会がこのほどまとめ発表した2008 年度のトラック会社の経営実態(経営分析)は、売上高は3年連続の減尐、営業損益も2年連続の赤字となっており、厳しい経営実態が改めて分りました。今回、調査開始以来、初めて経常損益が赤字に転落しました。保有車両規模による業績は次の通リです。▲印は「赤字」を意味しています。
<保有車両> | <売上高> | <営業損益> |
11- 20 両 | 1億 3207 万円 | ▲368 万円 |
21- 50 両 | 2億 9727 万円 | ▲291 万円 |
51-100 両 | 6億 4291 万円 | 23 万円 |
運輸低公害車普及機構(LEVO)が推進しているEMS(エコドライブ管理システム)普及事業で、機器の装着によって車両の燃費改善率が8%程度になっていることが分りました。ドライブレコーダーやデジタルタコグラフなどの装着によって燃費の改善率は 2005 年度で 7.5%、06 年度 8.3%、07 年度 8.7%となっています。なおLEVOではEMS普及のためにリース事業を行っています。
時の流れは誠に速いもので、既に4月になりました。政府では、コールデン・ウイーク(GW)などに集中している大型連休を分散する方向で検討していますが、今ひとつ、評判は宜しくないようです。観光需要を喚起するのが狙いですが、トラック業界からは、早くも「労働時間のさらなる延長が起りかねない」と心配の声も出る始末です。 西口