総合ソリューションパートナー
第144号 2021年 9月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号物流企業の2021年4~6月期の決算が出そろいましたが、前年同期のコロナ感染拡大の影響の反動や、輸送量の回復などにより各社とも収益改善が進んだようです。業界紙などによると上場64社のうち55社が増収、53社は営業利益増益決算となりました。中でも日立物流(本社・東京)はフォワーディング業が伸び、売上高は2割増に、また、近鉄エクスプレス(本社・東京)でも輸需要の回復で4割の増収と好調でした。さらにヤマトホールディングス(本社・東京)はEC物流の確実な取り込みにより2桁台の増収を確保。それにしても好調なスタートとなりましたが、通期見通しでは据え置きが目立つなどで慎重な見方が大勢です。因みにコロナウイルスの感染は収まる状況になく拡大が続いています。引き続き、収受運賃水準の維持、物流業務の効率化など取り組んでいく必要性は何ら変わりありません。
国土交通省によると「標準的な運賃に基づく新運賃」の届出を行った事業者数は7月末で1万5611者となり、割合では27・4%となりました。届出率が最も高かったのは高知県で88・4%、次いで、愛媛80・8%、熊本75・7%などの順位となりました。一方、1割未満は沖縄が7・8%、富山7・3%、兵庫3・4%でした。標準的な運賃の告示制度は取引環境の改善を目的に設定されています。国交省では自社の経営を分析するツールとして標準的な運賃を活用し、荷主との運賃交渉に取り組むことが重要としています。
国土交通省がまとめた2020年度の宅配便の取扱個数は前年度比11・9%増の48億3647万個となり、6年連続で過去最高を更新しました。伸び率も過去20年間で最も高くなっており、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要が取扱個数を押し上げました。主な企業の取扱個数はヤトマ運輸が16・5%増の20億9699万個、佐川急便は7・2%増の13億4790万個、日本郵便が11・9%増の10億9079万個でした。
セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市)はこのほど定温輸送が主力の丸久運輸(本社・和歌山県かつらぎ町)を買収、子会社化しました。和歌山県3カ所、大阪府2カ所、奈良県1カ所に物流倉庫を持つ。社員数91人。事業用食品、飲料、冷凍冷蔵商品の取り扱いを行い、売り上げ規模は17億5000万円(2021年3月期)です。
SBSホールディングス(本社・東京)は2021年12月期の連結業績予想を上方修正し、売上高4000億円(前期比55・5%増)、営業利益200億円(82・5%増)とするとともに、4期連続の増収増益を見込んでいます。SBS東芝ロジスティクスの新規連結化に加え、既存グループ会社でもEC、食品など生活必需品の取り扱いが好調に推移しており、物流及び不動産部門が事業拡大をけん引していきます。
特積み中堅のトナミ運輸(本社・富山県高岡市)は兵庫県尼崎市に物流拠点を新設します。老朽化した既存施設を移転・新築するもので2023年2月からの本格稼働を見込んでいます。敷地面積2万3380平方メートル、鉄骨造り6階建てで、延べ床面積4万9060平方メートル。トナミ運輸が中核会社のトナミホールディングスでは中期経営計画における重点戦略として「輸送サービスと物流サービスの連携強化と、新規流通センター開発を通じた事業の成長」を掲げています。
中越運送(本社・新潟市)は、新潟・上越市内に上越第2ロジスティクスセンターが完成、営業開始しました。敷地面積1万3200平方メートル、2階建て、延べ床面積7200平方メートルの規模で化学品などの保管を手掛けていきます。中越運送では2018年6月に今回の施設から10分ほどの距離の上越市内に上越ロジスティクスセンターを稼働させており、郊外都市で同一市内に2拠点を設けるのは初めてとしています。
「春夏秋冬」での記載の通り、上場物流企業の第1四半期(4~6月期)決算は大半が増収増益となりましたが、油断は禁物で、むしろこれからが正念場です。コロナ禍ではありますが、小社では各取引先様に対し、ご満足が頂けるような経営サポートをすべく、対応していく所存です。どんなことでも結構ですからお声がけ下さい。 西口