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第156号 2022年 9月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号物流企業の経営状況の2極化が進んでいるようです。上場企業の2022年4~6月期の全64社決算によると、売上高では58社が増収、うち26社が2桁増収、また、営業利益では41社が増益、うち27社は2桁の増益などと堅調に推移しました(業界紙の報道。しかし安閑としてはいられないのが実態で、中小・零細企業の倒産件数が増えており、7月は前年同月比5割増の21件となり息切れが目立っています(東京商工リサーチ調べ。こうした状況下にあって、トラック各社が「収益改善」に向け、今、取り組むべきことは第1に輸送サービスの高品質化や適正運賃の収受です。さらに第2には人材確保や業務の効率化・省力化などの取り組みです。ただし、ここで覚悟・注意すべきは、中途半端は許されるはずがなく、本腰を入れての取り組みこそ好結果が得られるという強い意志と実行力ではないでしょうか。
国土交通省が発表した2021年度の宅配便取扱個数は49億5323万個となり、前年度から2・4%伸びました。コロナ禍の巣ごもり需要で大幅に伸長した前年度(11・9%増)と比べて伸び率は鈍化しましたが、7年連続増となりました。個別ではヤマト運輸「宅急便」48億8206万個(前年度比2・4%増、佐川急便「飛脚宅配便」13億6917万個(1・6%増)、日本郵便「ゆうパック」9億8857万個(9・4%減)、福山通運「フクツー宅配便」1億4148万個(1・8%増)など。上位3便でシェア94・8%を占めています。
全日本トラック協会がまとめた2021年度版のトラック運送事業の賃金・労働時間の実態報告書によると、5月~7月に支給されたドライバー1人当たりの1カ月平均賃金は特積みと一般を合わせ、男性が前年度比4・9%増の34万6200円、また月平均賃金に年間賞与の1カ月平均額を加えた賃金プラス賞与は5・1%増の38万9200円でした。21年10月~11月に調査したもので有効回答数は、特積み40社、一般802社でした。
センコー(本社・大阪市)とウエルシアホールディングスはセンコーが運営する綾瀬ロジスティクスセンター(神奈川県綾瀬市)に在庫型物流センター「ウエルシア西関東RDC」を開設しました。同施設は4階建て延べ床面積5万3800平方メートルです。これまでのフォークリフトによる出荷業務を、作業者の確保しづらい夜間に自動倉庫とアームロボットが行い、日中に作業者が行うピース作業の前準備を完了させます。
ヤマト運輸(本社・東京)は全国約71万戸のUR賃貸住宅に住む高齢者向けに10月からIоT電球ハローライトを活用した見守りサービスを開始します。このほどURが公募した「高齢者向け見守りサービスに係る連携事業者」に採択され、連携協定を結びました。サービス概要はライトの動きが24時間ない場合、事前指定の通知先とヤマト運輸のネコサポサービスセンターに異常検知のメールが自動配信され、住居者と連絡がとれない、または遠方など訪問できない場合はスタッフが自宅に代理訪問し状況に応じて地域包括支援センターなどに通報します。利用料金は月額1078円(税込み)です。
東京商工リサーチ(TSR)がまとめた7月の道路貨物運送業の倒産は21件(前年同月14件、前年同月比50%増)で2カ月ぶりに前年を上回りました。また、負債総額も11億7000万円(45%増)で6カ月連続の前年超えとなりました。TSRでは「これまでコロナ関連の金融支援で倒産件数は抑制されてきたが、小・零細企業の息切れが目立ち始めてきた。燃料価格も高止まりしており、コスト負担は依然として重い」と話しています。
日貨協連(日本貨物運送協同組合連合会)が運営する帰り荷斡旋システム「WebKIT」の7月実績によると、荷物登録(求車)が前年同月比22・1%増の12万8690件、成約件数は1・8%減の2万2604件となりました。なお成約率は4・3ポイント減の17・6%に落ち込みました。
一般紙等で報道されていますが、トラック製造・販売業界の動きが慌ただしさを増しています。小社のような中古トラック市場も販売価格の上昇など、その影響が一部に出ています。各取引先様にはご迷惑を掛けぬよう全スタッフ一丸となって対応していきますので何なり、電話なり、直接ご相談下されば幸甚です。 西口