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TNSニュース2024年1月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号新年にふさわしい明るいニュースをお届けしようとしましたが、ご覧の通り、厳しい経営環境を反映する内容となりました。4月からドライバーの残業時間を規制する「物流2024年問題」がスタートし、働き方改革や適正な運賃・料金収受の取り組み強化が必要不可欠になります。具体医的にはドライバーの労働時間の短縮による給与減をどうカバーし離職者を防ぐか、また、荷動きの低迷感と共に燃料価格の高止まりが続く中、適正な運賃・料金収受にどう取り組んでいくのかーー。課題解決に向けては国土交通省も適正な取引を阻害する荷主企業や元請け会社の監視・指導強化のため「トラック G メン」を創設し活動を開始しています。さらに標準的な運賃の引き上げ検討など支援体制を強化しています。但し取り組みの主体はあくまで運送事業者自身です。トラック事業者はまさに正念場の年ですが乗り越えて行く以外に「道」はありません。
国土交通省が発表した2023年3月末現在の貨物自動車運送事業者数は、特積みは前年比と変わらない314社でしたが、一般は107社減の5万7749社と、4年ぶりに減少しました。一般は内訳は新規許可により959社が増加したものの廃止・合併が1066社あったことから全体は減少しました。また、一般業者を車両台数(規模)別でみると、10台以下が2万9756台で全体の52%、11~20台以下が1万3158社と、20台以下が全体の74%を占めました。させに従業員別では10人以下が2万6533社、20人以下が1万3716社と全体の70%を占めています。
国土交通省は荷主との運賃交渉する際の指標「標準的な運賃」の水準について、現状から平均約8%引き上げる意向を明らかにしました。運賃の算定根拠となる原価のうち、燃料費は120円、燃料サーチャージを120円と基準価格を引き上げます。他にも、運送業務に付帯する荷役業務や荷待ちなどに運賃とは違う形での対価として標準的な水準(例えば中型車4トンクラス=30分毎の待機時間料1760円、積込・取卸料<手荷役>2100円)も設定します。また下請け業者に支払う手数料について運賃の10%を運賃とは別に収受するよう規定します。運輸審議会への諮問を経て改正・告示します。
人材採用コンサルタント会社オーサムエージェントが実施した自社が運営する運送業専門の求人転職サービスの契約企業を対象としたドライバー不足に関する調査によると、97%の企業が「不足」と感じている一方、不足の原因として挙げられた項目は「賃金」(複数回答、71%)、「労働条件」(68%)、「若年層の業界離れ」(60%)などでした。また、ドライバー1人当たりの採用コストは10万円以下17%、10~20万円38%と、5割以上が20万円を割っています。この調査は66社の有効回答分を集計・分析しました。
民間調査機関の東京商工リサーチ(TSR)が発表した2023年1月~11月までの「道路貨物運送業の倒産件数」集計によると、前年同期比31・6%増の287件で、3年連続増加しました。TSRでは、引き続き、この傾向で推移すれば年間件数は9年ぶりとなる300件台に乗せる可能性が強いと指摘します。負債総額は43・3%増の498億9300万円で、倒産要因別では燃料の高騰などによる物価高が75・4%増の107件、ドライバー不足など人手不足関連が2・2倍の38件でした。
全日本トラック協会が発表した「2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業」(G マーク)では新規・更新を合わせた申請事業所9761事業所のうち9489事業所を認定しました。また、6回目更新となる1052事業所は新たにデザインした「ゴールド G マーク」ステッカーが使用できます。なお、今回の認定に伴い現在の G マーク取得事業所は2万9044事業所となりました。
全日本トラック協会が発表した、2023年度の「引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)」の認定事業者は申請総数251社で、うち248社が認定されました。新規は16社、更新認定は232社でした。認定基準には引っ越しにおける約款の遵守、苦情に対する対応体制や責任所在の明確化、さらには適切な従業員教育、引越関係法令の遵守、適正な廃棄物処理など各項目が含まれています。
新しい年がスタートしました。トラック業界を取り巻く経営環境は厳しそうですが、小社では取引先各社様の「課題解決」の支援のため、昨年同様全スタッフが一丸となり、対応させていただきます。昨年に続き、本年もご愛顧のほど宜しくお願いいたします。 西口