総合ソリューションパートナー
第92号 2017年 5月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号業界紙を斜め読みしていたら物流企業トップの入社式の「あいさつ」が掲載されていました。これからの時代をどう読み、また、新入社員にどんな期待を持っているのか--などを読み取ることができました。「顧客第一主義の徹底による物流品質の向上」「社会インフラを維持・継続していくためにも経営の中心に人財を置く」「ドライバー不足の時代こそビジネス拡大の大きなチャンス」。そして「夢と情熱を持った人に、その夢を叶えるための舞台を用意している」「傍観者となることなく、この仕事に携われることへの誇りを持って欲しい」と。TNSニュースの読者のお取引先様でも新入社員を迎えた企業も多いことでしょうが、貴社のトップはどんな呼び掛けを行いましたか。企業の将来を担う人材を厳しく鍛えていくことはもとよりですが、温かい目で育てていくことも肝要ですね。
西濃運輸(本社・岐阜県大垣市)は法人宛て荷物を対象としたスマートフォンによるGPS(全地球測位システム)を利用した配達時の車両の位置情報を提供するサービス「いち知る」を開始しました。特積み業界では初めての「サービス」です。顧客が配達予定の荷物を問い合わせをインターネット上で行うと、配達時間が分かり、ワンクリックで、当該貨物を積み込んだ車両の現在位置を地図上で確認できます。同社によると2016年11月から東京都内の100の配達コースで実証実験を実施してきましたが8割強の顧客から「評価できる」との回答があり、本格的に実施していくことにしました。
CBRE(本社・東京)が発表した2017年1~3月の大型マルチテナント(複合企業入居)型物流施設の市場動向によると、中部圏で新規需要・供給ともに過去最高となりました。中部圏では四半期ベースで17万1600平方メートルの新規供給があり、このうち8割の面積でテナントが既に決定しています。空室率は8・5%で推移しており、16年10月~12月に比べて5・9%上昇しましたが新規需要も12万8700平方メートルと過去最高となりました。
中日本高速道路によると、新東名高速道路の御殿場ジャンクション(JCT、静岡県御殿場市)-浜松いなさJCT(浜松市)が開通してから5年が経ち、2016年2月には愛知県区間がつながったことから御殿場-豊田JCT(愛知県豊田市)の渋滞損失時間は22分短くなりました。新東名の1日の平均利用台数は12年の7万4000台から16年には9万2000台に増加しています。トラックやバスなどの大型車は2万2000台から2万9000台に増えています。
ブリヂストン、住友ゴム工業、東洋ゴム工業、日本ミシュランタイヤのメーカー5社はこのほど国内市販用タイヤの値上げを発表しました。合成ゴムといった石油化学系原材料の価格が高騰していることや天然ゴムも高い水準で推移していることに伴うものです。ちなみに横浜ゴムは4月1日から小型トラック用とトラック・バス用タイヤを7%値上げしました。住友ゴム、ブリヂストン、東洋ゴムはいずれも小型6%、トラック・バスは8%アップする予定です。実施日は東洋ゴムが5月1日から、住友ゴムとブリヂストンは夏用が6月1日、冬用は9月1日から予定しています。
サントリーホールディングスと日清食品はトラックドライバー不足などに対応するため、6月中旬から北海道・帯広エリアで、酒類・飲料水とインスタントラーメンを、トラックで共同配送します。両社によると、北海道千歳市のサントリー配送センターでビールなどを積載したトラックが日清食品の恵庭センターに立ち寄って混載し、帯広エリアの卸店・小売店の配送センターなどに対して共同配送します。サントリーの酒類・飲料水全般など重量荷物の商品配送では、トラックに空きスペースができるため、そのスペースに日清食品のインスタントラーメンなどの軽量貨物を組み合わせます。
一般紙の「ヤマト報道」に端を発して物流業界の人手不足という厳しい現実がクローズアップされる中、運賃・料金の値上げ問題なども取り沙汰されています。物流が「社会インフラ」であることを改めて考えさせられます。 西口