総合ソリューションパートナー
第23号 2011年 8月
株式会社タカネットサービス
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目6番4号東日本大震災は、わが国の産業立地や部材調達、さらには物流インフラ及びシステムのあり方といったことの重要性を改めて見せつけるものとなりました。政府の東日本大震災復興構想会議では先ごろ「復興への提言-悲惨のなかの希望」をまとめ、物流システムの高度化について触れて①サプライチェーン(供給網)全体の可視化②生産・物流拠点の再配置③輸送ルートの多重化④民間物流事業者のノウハウ・施設の活用――などとしました。次に今回の東日本大震災規模の地震・津波が、いつ・どこで発生するのか分りませんが、いざと言うときの対応を考えておくことは必要丌可欠ではないでしょうか。そう言えば、トラック業界においても企業の規模の大小を問わずに「BCP」(事業継承計画)といった言葉を良く耳にするようになりました。
アサヒビールとキリンビールは8月末から共同配送、共同回収に取り組むことになりました。計画によると、共配は東京都の一部エリアで行われ、配送距離の短縮化や積載率の向上、車両回転率の向上などを図っていきます。また空容器の共同回収では茨城・埼玉・長野・静岡などの4県で実施を予定しています。両社とも「環境に優しい物流」の実現を目指しています。
国土交通省がまとめた 2010 年度の宅配便・メール便の取扱実績によると、宅配便は前年度比 2.6%増の32 億 1983 万個で3年ぶりに増加しました(航空便扱い含む)。通信販売市場の伸びや各社による営業努力などが結実した格好です。メール便も 2.1%増の 52億 4264 万冊と伸長しました。うちトラックによる宅配便は 31 億 9329 万個(26 便集計、前年度比 2.8%増)でしたが、トップは「宅急便」(ヤマト運輸)の7.0%増の 13 億 4877 万個、2位は「飛脚宅配便」(佐川急便)の 6.1%増の 11 億 9404 万個となっています。上位2社で宅配便市場の8割弱を占めることになります。
国土交通省は、東日本大震災でのトラック運送事業者の被害状況をまとめ発表しました(6月 30 日現在の確定値)。同状況によると、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県が対象で、事業主・従業員の人的被害は 254 人(死者 176 人、安否丌明者 78人)、建物の全壊・半壊は 795 棟。被災車両数は 5654台にも上っています(一部損壊、行方丌明含む)。最も被害が大きかったのは宮城県で建物被害 472 棟、車両 4173 台、死者 131 人、安否丌明 60 人です。
九州運輸局は 2010 年度のトラック、バス、タクシーなど自動車運送事業者に対する行政処分状況をまとめ発表しました。全体では前年度比 2.2 倍の 408件と大幅に増加し、直近の5年間では最高となりました。うちトラックの処分は 74 件増の 184 件と最も多く、全体の 45%を占めました。トラックの処分の内訳では、許可の取り消し 10 件、事業の停止7件、車両の使用停止 174 件でした。
全日本トラック協会は 2010 年度版「トラック運輸産業の現状と課題」(トラック白書)を発刊しました。内容はトラック運輸産業についての「現状」「課題」、さらに課題に対する「対応」の三部構成になっています。国土交通省が検討している「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」の中間整理の概要についても言及しています。
日通総合研究所(本社=東京都)がまとめた「日通総研短観」(企業物流短期動向調査)によると7-9月の荷動き状況(指数)は、前期(4-6月)と比べて 11 ポイント改善されるもののマイナス 10 と依然として水面下で推移します。回答数の割合では「増加」が 20%で前期と変りませんが「減少」が 41%から 30%に改善されます。
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