税金の話 第四回 「ふるさと納税」制度
第4回目となる今回は個人の方向けに得する情報として、テレビコマーシャルでも宣伝されており、皆さまもすでに知っている、または一度は聞いたことがある「ふるさと納税の制度」を取り上げようと思います。制度の内容を含め、活用をした方が得をするかと思いますのでご検討頂ければと思います。
ふるさと納税が導入された背景は、多くの人が地方で生まれ、その自治体から教育、医療等の様々なサービスを受けて育ち、進学や就職を機に生活の場を都会に移して、そこで納税を行っています。その結果、都会の自治体は税収を得ていますが、自分が生まれ育った自治体には税収が入らないという現象が起きていました。ふるさと納税はこうした地方自治体の格差、過疎などによる問題を解決する手段として考案され、自分が生まれ育った「ふるさと」へ納税ができる制度になります。
「納税」という言葉がついておりますが、正確には地方自治体(都道府県、市区町村)への「寄付」になります。個人が応援をしたい任意の地方自治体(市区町村)に寄付をして、その寄付が税務上は寄付金控除の取り扱いとなります。制度上、2,000円は本人負担となり、寄付ができる金額は納税者である個人の収入や家族構成に応じて一定の上限がありますが、限度額までは所得税の一部が還付、翌年の住民税の一部が控除されるものになります。
納税者にとっての最大のメリットは寄付した地方自治体から、地域の名産品などをお礼の品としてもらえることです。寄付をしないで翌年の住民税の一部が控除されないよりも、寄付をしてお礼の返礼品をもらえた方がお得ではないでしょうか。
納税者は自分が生まれた故郷に限らず、寄付する地方自治体を自由に選択することができ、寄付した金額は地方自治体で使用されます。今ではインターネットで検索すれば、ふるさと納税の特設サイトがいくつかあり、納税者は寄付する地方自治体、返礼品を自由に選べ、簡単にふるさと納税をすることができます。実際のふるさと納税を行う際の手続きについては自治体によって異なりますので、ふるさと納税先として選んだ自治体のホームページ等でご確認、またはお問い合わせお願いします。
ふるさと納税をした後は寄付した自治体から寄附金控除証明書が届きますので、原則として確定申告を行えば、翌年のお住いの市区町村からの住民税が控除されます。なお、本来確定申告を行う必要がない給与所得者等については、ふるさと納税を行う際にあらかじめ申請することで確定申告が不要となる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の適用を受けられます。ただし、適用を受けられるのは、ふるさと納税を行う
自治体の数が5団体以内である場合に限られます。
ふるさと納税制度は活用することで地方自治体は活性化して、個人では返礼品がもらえるので十分にメリットがあるかと思います。一つ注意すべき点としては、個人によって、年収、家族構成に応じて、所得金額が異なり、ふるさと納税できる金額に上限があることになります。こちらについてはインターネット上でもおおよその数値も出ておりますが、各人の状況に応じてふるさと納税ができる限度額は異なるので、詳しくは顧問税理士に確認することをお勧めいたします。