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Daily Archives: 2021年11月5日

タカネットサービス代表 西口 高生が気になる人 あの会社のトップに聞く

株式会社トランテックス
本社:石川県白山市徳丸町670番地
事業内容:トラック架装事業
従業員数:1,354名(2019年11月末現在)

株式会社トランテックス 代表取締役社長 原田泰彦氏 × 株式会社タカネットサービス 代表取締役 西口高生

「泰彦のヤスは、タイという字を書くんですよね。」インタビューの冒頭、笑顔でそう話す株式会社トランテックス社長・原田泰彦(はらだやすひこ)氏。
2016年トランテックスの社長に就任する以前は、日野自動車工業株式会社(現・日野自動車株式会社)に勤務。2000年か らの3年間、タイ王国サムットプラカーン県での新規プロジェクトに携わり、2013 年 タイ日野製造の社長に就任。通算6年をタイで暮らす。2016 年、株式会社トランテックス社長に就任。コスト・品質・サービスに於いてトラ ックボデーNo.1を誇るトランテックス。原田社長にお話を伺った。

西口高生(以下、西口):1990年に日野自動車に入社され、2000年にタイのプロジェクトに参加されたわけですが、具体的にはどんなプロジェクトだったんですか?

原田泰彦社長(以下、原田):現地生産をしている日野のシャシのモデルチェンジと羽村工場で生産していたハイラックスの部品の現地生産化です。この2つのプロジェクトを同時進行で行いました。トヨタピックアップトラックの第1弾ですから当時は会社をあげての大支援部隊。私が参加した当初は3人のメンバーでしたが、最終的には130人程が張するビッグプロジェクトになっていました。
その後2013年、日野モータースマニュファクチャリング タイランド株式会社の社長として再びタイへ。10年のブランクがありましたが一緒に苦労したタイ現地の仲間が迎え入れてくれたので物凄く仕事がやりやすかったですね。戻った時は歓迎してくれてとても嬉しかったです。

西口:1990年に日野自動車に入社されて約20年間。ずっと生産技術でエンジンの生産ラインを担当されたんですよね?

原田:日野自動車に入ったのは中途採用なんです。私は1956年生まれ。去年63歳になりましたが、この年齢だと通常は会社に入社するのは1980年頃です。武蔵工業大学機械工学科でエンジンの勉強をしたものの就職先には恵まれず、大学を卒業後、商社に勤めることに。9年ほど勤務した後、電子部品を扱う会社に転職し、たまたま新聞広告の求人募集を見かけ日野自動車工業株式会社へ入社したのが1990年。生産技術エンジン技術課に配属となり、自分の思いを遂げられるところにやっと辿り着きました。
この時、人生の中で一番最良の決断をしたんじゃないかなと思っています。

西口:エンジンの勉強をされたのは何かきっかけがあったのですか?

原田:子供の頃から機械いじりが好きで、もともと水素に興味がありました。1970年代に「未来のエネルギー」と注目され始めた水素エンジンの勉強がしたいと思い大学の研究室へ。当時はまだメジャーではなかった燃料電池や水素エネルギーが、今やっと脚光をあびる時代が来たかなと(笑)
今から振り返ってみると、大学を卒業して10年間、勉強したジャンルとは違う仕事で寄り道をしたわけだけど、その頃に経験したことが物凄く役に立ったと思っています。その時は無我夢中で仕事をしてきて、30、40年経って過去を振り返ってみると全ては点で繋がっているなと。経験してきたことが今の仕事の糧になっていると感じます。タイで初めてのプロジェクトに対し、機械や設備を全て日本から輸出し向こうで受け入れ、そして工場でのセットアップ。
これらの業務は商社にいた頃に慣れていましたし、外国人に対して物怖じしないというのも20代の頃の経験が活きているなと思います。

トランテックスの使命

西口:先ほど工場を見学させていただいて、従業員の皆様のボデーに対する拘りが御社の誇りかなと感じました。

原田:そう感じていただけてありがとうございます。必要なのはマッチング。ボデーもシャシも相性があります。最後の完成形を考えて一緒に作っていった方が効率のいいものができる。“トラックのボデーはプロが使う一番大事な道
具”。プロとしての意識を持って自分の道具を注文されていると感じるので、そう意味では品質や仕上げなどきちっとしたものを出したいと日々感じます。うちは販売から開発、製造、サービスと全部が揃っている形態で部署間の連携が密にできるので、いろんなことを討議しながら方向性を決めています。

西口:シャシの上にボデーが乗っていて、その結果、現在お客様はシャシメーカーの製品を先行して車両の選定をされるというのは否めない。しかし今後はトラックも電気で動くような時代になってきます。将来的に各メーカーがシャシを一つにモジュラー化して共有化するような時代になってくるのではないか。一方で、荷物を運ぶというスペースの部分は無くならないはず。そういう点でいうと今後はボデーメーカーにも注目が集まる時代になっていくのかなと思いますが。

原田:そうですね。親会社の日野自動車はシャシを、我々はボデーを作っていますけど、これからはシャシとボデーが一緒になって共同開発することが必要になってくるかと思います。新しいシャシに対してどんなボデーを乗せたらいいのか、無駄なくやっていくためにはそういう方向に行くと私も強く感じています。

西口:株式会社トランテックスさんは2002年に社名変更で誕生されました。日野自動車の本社は東京、工場は羽村、そして古河には一部ウイング工場を併設されるということを伺っています。どこかで金沢から日野自動車の本拠地に近いところに移転するということにはならなかったのでしょうか?

原田: トランテックスの歴史は1942年設立の金沢航空工業株式会社という金沢の流れもあります。
横浜のバス工場、羽村近くの瑞穂車体工場、それらが時代の流れとともに合併し、金沢が拠点となって集約されたという歴史があります。
もう一方で、古河工場の話になりますけど、今後は需要があるから台数が出るではなく、限られたパイの中でどうやって競争力を上げていくのかということが重要になります。日野のシャシができたらすぐに架装できるような工場を古河に作っていくことが今後の競争力を上げていくことに繋がります。完成車でリードタイムを短く、お客様にすぐにお届けするボデーは古河で作る。そして造りボデーのようなお客様のご要望には金沢で対応していく、というように作業の差別化を計り、両方で全体の競争力を上げていくことが必要かなと感じています。
トランテックスの成長戦略4本柱として「ウイング生産の拠点化(古河工場)」「今後需要が増える小型トラックの拡販」「グローバル展開。海外への部品輸出」「新シャシに対する新商品開発」を掲げています。2025年の確立を目指し日野自動車の考え方とトランテックスの考え方、同じ方向性で協調性を持って取り組んでいきます。

創業111周年に思うこと

西口:1908年に脇田兼太郎氏が東京芝浦で自動車車体の製作を始められ、去年、創業111周年を迎えられました。この先の100年。どんな思いがありますか?

原田:現在のトラック・自動車業界は「100年に一度の大変革」と言われています。今の物流形態がどこまで継続していくのか、あるいは自動運転なども含めどんな形になるのかということを考えながら、いろんなアンテナを張ってい
かなければならない。
一方で、状況は急には変わらない。それまではきちっと会社を運営していかなければならない。ベースを作るということと、状況に合わせて形態を変えることも含め商品開発をしていくこと。この2つの仕事を同時に進めなければならないと考えています。100年と言わず、この先10年でも相当変わりますね。
創業111周年。とんでもない数字ですけど、会社の歴史、合併や社名変更、分社と、いろんな分岐点を経て現在がある。先輩たちが営々と111年という歴史を繋いできてくれたということは、ものすごく重要なことだと思います。駅伝
もそうですよね。「襷を繋ぐ」。
現在は自分が襷を預かっています。“歴史はすぐには作れない”その重みというのを感じながら更に発展させていかなければならないとの思いで運営しています。

西口:社長ご自身の健康法を教えてください。

原田:歩くことですね。金沢は綺麗なところが多いので早朝散歩するのが日課です。兼六園は早朝に無料開放しているんですよ。休みの日には21世紀美術館や武家屋敷など90分程かけてウォーキングを楽しんでいます。去年9月には霊峰白山に社員とともに登りました。一度は登りたいと思っていたので願いが叶いました。雲ひとつない青空。真っ赤な夕日。翌朝3時半に起床し満天の星空。そして朝5時半には立山連峰からのご来光と、まさに「感動4連発」。初めての登山でしたが、慣れている社員のサポートもあって素晴らしい経験をすることができました。
会社も含めて、自分がやりたいことをやる、自分が考える方向に大きくしていきたい。想いが一つ一つ叶っていくのが楽しいですし、この歳になっても自分がどんどん変化してくことが面白い。第2の生まれ故郷と感じるタイへもいつか恩返しができるように、様々な意味でチャレンジし続けていきたいと思っています。


運送会社の安全に対する取り組み 栃木大田原営業所 株式会社タカロジ

株式会社タカロジ
栃木大田原営業所:栃木県大田原市上石上1528-14
本社:栃木県那須郡那珂川町小川3489
事業内容:運送・倉庫業
従業員数:142名(うち大田原営業所10名)
保有車両(大田原営業所):トラクタヘッド7台、トレーラー15台、大型セルフ1台、フォークリフト3台

 

『基本に忠実』

栃木を拠点に全国6ヵ所に事業所を展開する株式会社タカロジ。
輸送業務上の安全に対する取り組みについて、栃木大田原営業所所長の松浦取締役と鈴木乗務員、
藤村乗務員に話を聞いた。

ータカロジ栃木大田原営業所の業務について教えてください。

(松浦所長)株式会社タカロジでは大型アルミウィングなどで主に郵便輸送業務を行っていますが、栃木大田原営業所は主に海上コンテナシャーシと呼ばれるトレーラーを使用し、牧草の運搬及び営業所に併設されている自社倉庫で保管業務を行っています。
運行区間は京浜港(大井ふ頭・本牧ふ頭)~栃木大田原営業所、栃木県北地区の農家には京浜港から直接納品をしています。倉庫保管分は、配送担当の乗務員がフォークリフトで荷下ろしを行います。

ー栃木大田原営業所で徹底している安全に対する取組みを教えてください。

(松浦所長)運行管理をする上で、乗務員への確実な連絡及び時間厳守を徹底し、運行前と運行後の睡眠時間も把握しており、車両に取り付けているデジタコで安全(走行や速度超過等)・経済(アイドリング等)・総合(安全と経済の平均点)を各項目100点満点で数値化し、さらに上位順でA~Cに分けて運転を評価しています。この結果に基づきCランク評価の乗務員には、安全運行や省燃費運転の再教育を行っています。
さらには、乗務員教育の一環として、黒磯中央自動車教習所で、教習所の教官に横に乗っていただき、1人約50分間の技能テストを全乗務員に対して行っています。積荷の重量があればその分ブレーキの制動距離が長くなるので、適正な速度と車間距離を保つことも徹底しています。
他には、日常点検の他に月1回、栃木大田原営業所に所属している乗務員7人全員で、トレーラーの点検をしています。地道な活動ですが、これが安全に対する取り組みなのかなと自負しています。
トレーラーは共同車両で、あらゆる乗務員のヘッドに連結されますので、トレーラー側の点検内容は乗務員間で共有する仕組みをとっています。

ー運行する上で悩みはありますか?

(松浦所長)今回納車されたスカニア社のトラクタヘッドは他のトレーラーと同じルートを運行し、鈴木乗務員が運転します。
(鈴木乗務員)スカニア車は、国産車の運転席シートと全然違います。座席位置の調節が細かくできるので、長時間運転しても疲れにくいようにできていますね。

ー最後に、栃木大田原営業所が自慢出来ることは何かありますか?

(松浦所長)栃木大田原営業所はデジタコの評価が乗務員全員100点満点ということですね。
これは絶対、他の運送会社に自慢できることだと思います。
基本に忠実に。安全面に配慮し、休憩場所にも気を配りながら、働くプロフェッショナルが、私たちの日常生活を支えている。