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まなびのコラム

トラック運送業界でのキャリアアップの方法と役立つ資格

物流の核として日本経済を支える重要な役割を担っているトラック運送業界は、現在「2024年問題」という大きな課題に直面しています。

この問題はトラックドライバーの働き方や給与に大きな影響を及ぼすことが予想されているため、多くの従事者が自身のキャリアパスについて考えるきっかけにもなっています。

本記事では、トラック運送業界でキャリアを築くための方法と、キャリアアップに役立つ資格について解説します。

トラック運送業界の現状

2024年問題や燃料価格の高騰、ドライバー不足、高齢化などトラック運送業界は現在様々な課題に直面しています。

特に2024年問題は、ドライバーの時間外労働が制限されるため、労働環境に影響を及ぼし、収入減少につながる恐れもあるため、業界ではこの変化にどのように適応していくかが課題になります。

また、この問題はドライバー自身がキャリアについて深く考える契機にもなっています。自身の働き方や給与に直接的な影響を及ぼすことからキャリアパスを再考し、最適な道を模索している方も多いでしょう。

トラックドライバーのキャリアパス

トラックドライバーの一般的なキャリアパスとして「スペシャリストを目指す」「管理職を目指す」「独立・開業する」の3つが挙げられます。

大型免許・けん引免許を取得する

ドライバーとしての道を極めるのであれば、大型免許やけん引免許の取得を目指すのが良いでしょう。

大型免許に加えてけん引免許が必要なトレーラードライバーは、運送業界の花形とも言われ、高い運転技術が求められます。

技術や経験にもよりますが、需要が高くて人材も不足しているため、他のドライバー職と比較して高収入が見込めます。

トラックドライバーとして第一線で活躍し続けることを目指すのであれば、運転技術を磨き、大型免許やけん引免許を取得してトレーラードライバーとして活躍するというのは視野に入れるべきキャリアパスです。

管理職を目指す

ドライバーとして経験を積んだ後に管理職に就くというのも、業界における一つのキャリアパスです。現場での経験を活かして配車業務やドライバーの指導・管理などにあたります。

現場を知らなければ務まらない反面、管理職ならではのスキルも求められます。マネジメント力や人材育成、財務管理、リーダーシップなど新たに培わなければならないこともあるでしょう。

トラックドライバーから管理職へのキャリアアップは、柔軟な思考や絶えず学び続ける姿勢が大切になります。

独立・開業する

現場での経験を活かし、独立や開業するのもキャリアパスの一つです。個人事業主として運送業の立ち上げや、より大規模な事業展開を目指して法人を設立する場合もあります。

独立・開業に際しては、自己管理能力や営業力、さらには財務管理や顧客管理など、経営に関わる幅広いスキルが必要になります。

業界知識を深めることはもちろん、事業計画の策定、適切なマーケティング戦略の実施、適切な顧客関係の構築など、事業運営のあらゆる面での高い能力が求められます。また、運送業における法規制や安全基準への遵守も不可欠です。

独立・開業は大きな挑戦になりますが、事業を成長させていくことで、大きな達成感と収入を得ることができる道でもあります。

キャリアアップに役立つ主な資格

トラックドライバーをはじめ、運送業従事者が取得することでキャリアアップにつながる主な資格として「運行管理者」「衛生管理者」「危険物取扱者」が挙げられます。

運行管理者

運送事業において安全な運行を管理・監督するために必要な知識とスキルを持つ人材を認定するための資格で、法定の業種で常時50人以上の労働者を雇用する企業には選任が義務付けられており、運送業もその対象です。

資格を取得するには、国家試験に合格するか、または運行管理に関する実務経験やその他の要件を満たす必要があります。

資格取得によって管理職へのステップアップや、企業内で新たな役職に就くなどの道が開けることもあるでしょう。

衛生管理者

労働者の健康の保持・増進と作業環境の改善を目的として、職場の衛生管理に関する専門的な資格で、常時50人以上の労働者を雇用する企業には選任が義務付けられています。

運送業の場合には第一種衛生管理者の資格が必要で、受験資格を満たし、国家試験に合格することで取得できます。衛生管理者の資格も取得することで企業内での昇進、給料の向上などキャリアアップにつながります。

危険物取扱者

燃料や化学品などの危険物の輸送の際には、ドライバーに危険物取扱者の資格が求められますので、取得することで仕事の幅が広がり、手当等が付くこともあります。

甲種、乙種、丙種の3種類があり、それぞれ取り扱える危険物の範囲が異なり、甲種は最も範囲が広く、乙種、丙種と続きます。

資格取得には、各種類に応じた国家試験に合格する必要があり、試験では危険物の性質、取り扱い方法、法令、消火方法などに関する知識が問われます。

トラック運送業界でキャリアを築くためには

トラック運送業界でのキャリアパスは、現場で様々な経験を積むことから始まり、その上で、スペシャリストを目指す、管理職を目指す、独立・開業するといった選択肢があります。

キャリアアップにつながる主な資格としては、運行管理者、衛生管理者、危険物取扱者が挙げられます。これらの資格を取得することで、管理職へのステップアップや、仕事の範囲が広がり、給料の向上やより専門的な業務へのチャレンジが可能になります。

トラック運送業界でのキャリアパスについて考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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