月刊トラックランドONLINEとは

ユーザーボイス

株式会社 雄徳物流
代表取締役 徳川 雄二氏
常務 松本 伸吾氏

ドライバーあっての会社
『彼らが頑張ってくれているので、私も負けていられないですよ』

18歳で福岡の運送会社に就職し2tトラックのドライバーとなる。
4tトラック、大型ダンプへと仕事の可能性を広げ、37歳で会社を立ち上げた雄徳物流・徳川雄二社長。業界でも注目を集めるデコレーショントラックは仕事のモチベーションだと語る徳川社長の想いは車両を大切に扱う従業員へとしっかり届いている。
乗車するトラックの装飾を誇らしげに説明してくれる従業員の様子に、自然と育まれる仕事への情熱を見た。
社員が頑張る姿に刺激を受け、自らも早朝からオフィスの清掃などに励む徳川社長。
そして、創業時から社長をサポートしてきた常務の松本伸吾氏にお話を伺った。

【株式会社雄徳物流】
創  業:平成19年(2007年)2月
設  立:平成22年(2010年)12月
本社所在地:佐賀県三養基郡上峰町坊所1570-28
従業員数:60名(うちドライバー50名)
事業内容:一般貨物自動車運送業
保有車両:全73台

会社のこと

-平成19年・創業当時のことを聞かせてください

徳川社長(以下、徳川):20年近くドライバーとして会社勤めをしてきましたが、37歳の時に9年ほど勤めた会社を辞めたんです。上の子がまだ4歳頃かな。乗用車の新車を買って、家を建てて、将来の夢を抱きながら「さあこれから!」という時だったんですけど、ちょっとしたきっかけから酷い目あったことがあってね。そこで会社を辞めて個人で運送の仕事を始めました。独立した当時も燃料がもの凄く高い時期で大変でしたね。周りからはタイミングが悪いよって散々言われましたし、個人事業主だから仕事の荷物を貰うにしても弱い立場でした。「高速代は出ないよ、自腹で払ってね」なんて言われながら、なんとか必死で仕事を受けていましたね。
その時の経験もあるから、うちの従業員には「業者さんは絶対に大事にしなさいよ」って言ってます。
最初の1年は1人でしたが、その後、弊社常務の松本と2人で動くようになりました。平成22年に会社を設立しましたが最初は儲かリませんからね。6、7年はキツかったですね。でも数年で所有台数73台にまで順調に増えて・・・。これはやっぱり常務の頑張りが大きいです。現在、ドライバーは30代をメインに50人です。会社設立時から頑張ってくれている人も何人かいて、ほとんどが紹介で集まってくれています。業務としては九州全域や、関東・関西へも行っています。製菓や冷食、医薬品、半導体、古紙なども運んでいますよ。車両は今、減らしているところなんですが、予備で車両を確保しておくのも必要かなと考えています。車検に出てしまった時に、そのドライバーが仕事できなかったらかわいそうでしょ。状況に応じて対応できるようにしておきたいと思っています。

-弊社のリースバックサービス(CASH de スグのり)ご利用のきっかけは?

松本常務(以下、松本):チラシを見て、どんなもんかなと連絡してみたんです。初めて利用するサービスだったので最初は少し心配だったのですが、実際には対応も早くて安心して任せられました。

-社長と松本常務は兄弟のように仲がいいですね。どんなご縁ですか?

松本:27歳ごろ勤めていた運送会社で一緒だったんです。当時、私は運送業の初心者で徳川社長にいろいろ教えて貰いました。仕事が終わった後には一緒に遊びに行くんですよ。いつも一緒にいましたね。その会社を私は先に辞めて、社長もそのあと辞めてね。退職後はお互いに別の所で仕事をしてたんですが、数年後に偶然、現場で再会したんです。自分で創業したって聞いてね。当時、私が勤めていた会社の社長とも知り合いだったので「徳川くんのところを応援するなら行ってやれ!」って背中を押して貰いました。会社の立ち上げから一緒なので、もう16年ですかね。2人ともドライバー経験があるので運転手の気持ちはわかりますしね。ずっと仲がいいです。
実は、徳川家のお父さんと、松本家の祖父さんが繋がっているんですよ。この辺りは近くに河川が多いんですが、昔の石積みの仕事で両家が知り合い同士だったんです。社長のお父さんと話をしていくなかで昔の付き合いがあったことを知ってね。縁を感じますよね。
徳川:私はトラックに乗らなくなってもう十何年かな。乗りたいけどね、常務に怒られるんですよ(笑)。大好きなトラックに装飾や塗装を施しているんですが、車検を通したあと1年間乗らずにまた車検という車両もありますよ。

大好きなこと

-こだわりの装飾と塗装で車両が目を引きますね!

徳川:デコレーショントラックは二十歳頃から好きでした。トラックのイベントに行って魅了されたんですが、当時は会社所有のトラックに乗っていたので飾れなくてね。自分で事業を始めた当初も、お金がなくてできませんでした。でも、ある時、受けた仕事が運賃1,500円だったんですよ。びっくりしたよね。なんだか馬鹿馬鹿しくなって、そのままトラックのパーツ屋さんに行って、あれこれと50万円くらいかけてデコレーションしました。嫁に内緒でしたけどね。それが一番最初に自分で色々と飾ったトラックです。今は何もついてないけど、好きな車に乗らないと仕事のやる気にもならない。そう思います。
従業員も車好きが集まってますよ。装飾も自由に任せているからね。去年9月17日、吉野ヶ里町で『九州男児祭り(福岡県の運送会社が始めたイベント)』があったんです。遠いところでは北海道からも参加していて、200台以上が集合しましたよ。うちからは十数台参加して、この辺の運送会社では一番多く参加させて貰いました。ドライバー自慢の車両が勢揃いして遊びに来た子供たちも喜んでいましたね。今でもそのイベントの様子はYouTubeで流れていますよ。

-なぜ、ドライバーに自由に装飾を任せているのですか?

徳川:装飾すると車体を綺麗にするでしょ。よそに負けないくらい丁寧に磨こうってね。装着するだけだったらパーツ屋さんに行ってできるけど、良い状態をキープするためには日頃の手入れが必要だからね。トラックが綺麗だったら、仕事も自然と丁寧になると思っています。
ただ、車体の色にはあまり拘ってないんですよ。周りからはこの色が目立つねって言われるんだけど、たまたま一番最初に買った車両が青で、色を塗るのが面倒だったからそのまま使っただけなんです。今は全部この色に塗ってラメをかけて貰っていますが、青色でもちょっとづつ違うし、あんまり拘っていないですね。
ドライバーは車好きが多いから仕事先でかっこいい車を見つけると集まってきますね。InstagramやTikTokもやってるんですよ。うちのドライバーが出ています。仕事先で出会ったトラック好きの方が「撮らせてください!」と言って車両の動画をUPしてくれているんです。うちの車は目立つんだよね。「雄徳の車だ!ドライバーさんが手を振ってくれたーっ」てね。それも従業員の仕事に対するモチベーションになってくれていたら嬉しいよね。

大切にしていること

徳川:私は懇親会などのお酒の集まりには行かないんです。運転手が仕事しているのに飲んでいられないって思いますね。飲むのは週末の夜って決めて、平日はお酒を一滴も飲まないです。それと、日中は冷や飯しか食べません。なかったら温かいものも食べるけど、運転手が家にも帰れずに冷たい弁当を食べている中で、自分はのほほんと酒飲んで、温かいご飯を食べるわけにはいかないよね。会社あっての運転手だし、運転手あっての会社だから。運転手がいなかったら運送屋は成り立たないです。
松本:社長は、うちに来た従業員を絶対にクビにしないんですよ。自分のところに来た運転手は船乗りと一緒で、自身で辞めて出ていく人はいるけど、社長からはクビにしない。最後まで雇用するんです。だからこそ、私は働きやすい環境を整えておかないとと思いますね。
ここはファミリーですよ。組織の代表ってあまり会社に来ないって聞きますけど、ここは社長がいつも従業員に声をかけてるんです。アットホームな職場が自慢です。

これからのこと

-夢を聞かせてください

徳川:会社の規模は大きくしたいですね。ただ車両は増やさずに人を育てたいんですよ。後継者の問題もあるので運転手の誰かを育てていきたいなと考えているところです。60歳までは頑張らないとね。
松本:後々の従業員に繋げていく、私は橋かけの役だと思っています。年齢的にもあと6、7年で一区切りですからね、うちの会社は20〜30代の従業員が多いので、後の未来に繋げるためにも仕事がしやすい環境を整える。今は第1ステージで、ここから先の第2ステージに向けて、やるべきことをやるのみと考えています。
来年早々には倉庫業を展開する予定です。運送業の売り上げがあまり見込めない時代になってきたし、従業員が怪我をしてしまっても倉庫があれば仕事を続けることはできますからね。

-お仕事を離れた後のお2人は?

松本:いつも一緒に遊びに行ってるだろうね(笑)

株式会社 雄徳物流前のページ

【大型】中古トラックをお探しなら!選び方や留意点も紹介次のページ

カテゴリー

月刊トラックランド本誌の定期購読ご希望の方はこちら
月刊トラックランド本誌バックナンバー
働くクルマの総合サイトトラックランド
PAGE TOP