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株式会社マイロジ 
代表取締役 山田 泰壮氏

【株式会社マイロジ】
本  社:一宮物流センター:愛知県一宮市木曽川町黒田十二ノ通り1番
岡崎物流センター:愛知県岡崎市土井町南赤部内11-1
大府物流センター:愛知県大府市北崎町遠山1-1グッドマン大府3F
創  業:昭和47年(1972年)
事業内容:一般貨物自動車運送事業
従業員数:159名
所有台数:60台(うち冷凍車は40台)
転貸車両:三菱ふそう2t冷凍バン
令和3年9月28日〜令和5年9月27日
2年転貸サービス『リースdeスグのりPLUS』1台
来春までに10台納車予定

【株式会社ヤマネット】
創  業:2000年5月1日
本  社:愛知県小牧市三ツ渕1572-1

—土壌を耕し、人を育てる—
豊かな社風作りで『元氣と安心』を届ける


ヒストリー


–山田社長が株式会社マイロジ社長に就任された経緯を教えてください

山田泰壮氏(以下・山田):株式会社マイロジは1972年創業の50年目の会社です。私は2011年にマルヒデ運送から社長を引き継ぎ、今年で10年目となりました。地元の仲良くしていたマルヒデ運送のおじいちゃん社長が「山ちゃん、わしは息子もおらんし後継者も育てられなかったので、やってくれないか」ということで自社の株式会社ヤマネットと兼務が始まりました。
元々は高校を卒業してトラックドライバーになったんです。当時は菅原文太の”トラック野郎”の時代で憧れもあったし、移動するのも好きでしたから。入社した運送会社の社長がとても良い方で可愛がって頂きましたね。ドライバー業務のほか、所長や常務など様々な役割で16年間勤務しましたが、将来を考えて2000年3月、34歳の時に退職しました。
その1ヵ月後の5月1日に株式会社ヤマネットを立ち上げました。空きトラックと荷物のマッチング事業です。いわゆる利用運送取扱業務。運送会社の友達はたくさんいるから自分で車両を買う必要もないし、倉庫だけは途中で借りてね。ただ、その後も機器の組み付け工場を作ったり、実家の焼肉屋の肉の宅配を始めたりと、それまでの関わりから色々やり出して結局何屋さんだか分からなくなってしまいましてね。その数年はだいぶ苦労しました。これでは会社が潰れるなと思った時に世話になった方に「山ちゃん、勉強しろ」って言われたんです。経営の勉強をしないと勢いだけでは本当に潰れるぞって。そこで37歳頃から経営の勉強を始めました。
マーケティング理論や経営学を勉強していくと、今まで自分がやってきたことは全部逆じゃないか!と気が付きまして(笑) ひたすら学ぶという研修オタクみたいな時期が3年程あったかな。そこから次第に指導する立場へと意識が変わったんです。喋りは俺の方が上手いんじゃないかと思ってね。公民館で財務の勉強会を始めると、これは事業としてもっと進めていかなければならないと感じるようになりました。これまでお世話になった方々に恩返しもしたい、ということで運送業務とは別に、研修事業を立ち上げたんです。
マルヒデ運送の社長からは2009年ごろから声をかけられていたんですが、最初は躊躇していました。企業研修をやっている手前、変な会社にしたら説得力がなくなるんで拒んでいたんですけど、これもご縁かなと2011年に引き受けることにしたんです。2019年には本社を現在地に移転すると同時に一宮物流センターを開設し、社名を株式会社マイロジに変更しました。ヤマネットの運送に絡む仕事は全てマイロジに譲渡し、ヤマネットは研修専門の会社にしています。
マイロジの業務内容は東海エリアの商業物流です。一宮物流センターは冷凍冷蔵の配送が中心でスーパーや直営店などへの共同配送も行なっています。岡崎センターでは温度管理なしのドラッグストア向け日用雑貨など。また、大府物流センターも日用雑貨を中心に配送しています。

タカネットサービス西口代表とのご縁

―ヤマネットを創業されたのが2000年。お二人の出会いはいつ頃ですか?

山田:2001年ですね。西口さんは3つ先輩。その頃、西口さんは中古トラック業界に参入されたばかりで、私も事務所を構えたばかり。インターネットを使った空き車と荷物のマッチング事業の名古屋代理店をすることになって動いている頃でした。
西口高生(以下・西口):当時、名古屋で業界に参入したばかりでした。お世話になった大手運送会社の社長から「名古屋だったらいい人いるから紹介するよ」と山田さんを紹介されたんです。そこで意気投合して一緒に仕事をやりだしました。名古屋では兄弟のように動いてましたね。私も人脈が広がったし、山田さんも業界のことを垣間見るようになったし、お互いが学んだ部分は多かったと思う。中古車トラックも今みたいに飽和状態じゃなかったし良いタイミングだったよね。弊社の社名も山田さんの会社名からヒントをもらいました。タカネットだけだと怒っちゃうかもしれないからタカネットサービスにしてね。
山田:全然怒らないですよ。その後、マルヒデ運送から改名するときには、タカロジさんがあるからマイロジにしたしね(笑)
山田:マイロジの特徴はスーパーの陳列までするということなんです。この仕組みに評価を頂いて、以前は食肉加工メーカー1社だったのが、今は大手4社を請負うようになりました。すると陳列も含めドライバーさんの滞在時間が3時間くらいになってしまう。なので、ドライバーが到着したら一緒に荷物を降ろして、後の陳列作業はお任せするという“陳列レディ”の雇用を去年から増やしたんです。ドライバーはそのまま次の配送へと向かえるので配送件数が増え、業績も上がりましたね。お店からしてみると、賃金を支払っていないのに開店前に来て仕事をしてくれる。どうやっているのと不思議がっていますよ。納品先での手間をなくし、配送効率を極限まで上げていくアナログ作戦です。
“陳列レディ”はスーパーの地元エリアに募集をかけるんです。なので、ドライバーが到着する時間に合わせて直接スーパーへと出勤できる。強力な助っ人です。派遣の会社はあるかもしれないけど、運送会社が雇用しているのは少ないかもしれないですね。それがうちの強みで、今後も伸ばしていこうと思っています。
西口:雇用のどこに目を向けるかという事なんだけど、社会の中で優秀な女性が力を発揮する場は、まだ少ないよね。
山田:うちでは管理者20人のうち4名が女性です。従業員の比率ではパートさんも入れると女性の方が多いんですよ。社員はドライバーが多いので圧倒的に男性が多いんですけど、売り上げ構成の4割が倉庫業なので全体で見ると女性が多いんです。ヤマネットの研修事業で見ると、女性が活躍している運送会社は業績が良いですよね。

―リースdeスグのりPLUS+導入の経緯

山田:タカネットさんのスキームを入れて新しい流れを作りたいなと思い、2年転貸サービス『リースdeスグのりPLUS+』を導入しました。
事故修繕費はここ数年の取り組みで大きく減らすことができたんだけど、故障に関しては車両を所有していればかかるもの。5年超えたあたりからどんどん増えて行くので、極限までコストを抑える手段として、リースを一度やってみようということになったんです。在庫があったので、まずは1台すぐに納車して貰いました。来年の春、夏頃までには全部で10台導入する予定です。
実はね、ドライバーには2年転貸の仕組みをまだ話してないんですよ。新車に乗れるから驚くと思いますよ。ただ一方では、結構古くなっても丁寧にワックスをかけて大切に乗り続けてくれるドライバーもいるので、自分の車両への愛着心がどうなっていくのかというのは未知数かな。私らの時代は、古くてもエンジンルームまでピカピカに手入れして乗るような時代だったんで。ただ、1台の車を複数人で洗車する“合同洗車”を習慣化しているので、車両に対する愛着心というのはリース車両でも同じだとは思うけどね。ドライバーはアルバイトも含めて80人くらいいます。365日動いている車両もあるし、どうしてもフル稼働はさせられないので1台の車に3人で乗るような場合も想定すると、管理がずさんになってくる率も高まるのかなと。その辺も対策を練っていかないとかなと考えています。新しい課題もあるけど、いつも新車っていうのは緊張感も高まるし、画期的だと思うね。

―仕事のこだわりは?

山田:私がずっとこだわってやり続けているのが「社風作り」です。「社風向上、事故撲滅、業績向上」この“三つの成果”を常に念頭において動いてきましたが、会社の土台を作らないと事故を起こさない体質も定着しないと思っているんです。成果も業績アップも、まずは社風からだと思い、社内の人間関係や環境が作り出す風土を積み上げてきました。
管理者への研修「マイラップ」はマイロジリーダーレベルアップ研修として毎月1回、 今はオンラインですが全員で計画書を作ったり、プレゼンテーションしたり。管理者から提出されたレポートには僕も赤ペン先生で返事を必ずします。 結構これが要になっている感じですね。幹部の人たちとの親密性や繋がりを強くさせる、ドライバーさんとの関係性を良くするための教育をして、年のスタート時には社員総会を開催しています。去年はコロナの影響もあったので一堂に会することはできなかったんだけど、今年は大きな会場を借り、感染対策を万全にした上で社員100人ぐらい集めて総会をしました。 パートさんにはビデオメッセージを伝え、総会で話した内容を要約した“方針手帳”を全員に渡しています。
働きやすさと甘さのバランスが重要だなと考えているので、社員に対する還元も充実させているんですよ。“マイロ”という社内通貨制度を作って、MVPに選ばれたら500マイロとか、3000マイロ以上たまったら事務用品のカタログから景品交換できるようにしたり、社員の家族も巻き込んで春はボーリング大会、秋にはバーベキュー大会を開催したり。このほか「サンクスカード」というのも作りました。メッセージをポストに入れて、カードを貰った枚数、人にあげた枚数をカウントして、社員総会で「ありがとう大賞」を発表、金一封を贈呈しています。私も結構マメで、バースデーカードを書いたり、給料レターも毎月入れたりね。ただ従業員が150人超えたところで手書きは無理かなと今は印刷ですけど。
私が社長に就任した初年度は、20台ほどのトラックで事故修繕費が1,000万円を超えていたんですけど、去年は殆ど無いくらいにまで事故が減ってきました。これまで積み上げてきた成果が出てきているなと実感します。これが1番嬉しかったですね。とにかく「社風作り」だと考えています。

―マイロジ、そしてヤマネットのこれからを聞かせてください

山田:私の夢というか、今一番本気で考えていることは、事業継承です。ヤマネットの研修事業は私の特殊性で行なっているので、私が生涯やり続けて終了です。受講された多くの人達が考え方を継承してくれるものと信じています。
一方マイロジは所帯も大きくなっていますし、しっかり事業継承をしていきます。例えば65歳でバトンを渡すのならあと10年。それまでに社長を任かせる人財をしっかり育てバトンを渡す。もしくは、その頃に7つの営業所があるなら、分社化し7人の所長に社長になってもらう。でも、もし私が60を超えても目処が立っていなかったらどこかと組むということも考えないとね。
私は手出し口出しをし過ぎるところがあります。そうすると幹部の色が薄まってしまうので、敢えて社長室も社内に私のデスクも置いてません。出来るだけ口出しをせず見守るというのが、今後の私の課題です。

西口:山田さんは全力投球タイプだよね。マイロジさんの事業継承も含め、次のパートナーとして、仕事への向き合い方や熱量も見ているんじゃないかな。人への近づき方も私より過激だし(笑)

山田:人との距離感は日頃から気をつけるようにしていますよ。私は寂しがり屋なところがあって、ついいろんなことが気になっちゃうんですけど、人間関係の良し悪しって距離感が大切ですからね。近づきすぎないように相当気を付けています。
事業継承も含め、私と同じように雇用を大事にしてくれるところじゃないと組むのは嫌だなと考えています。人を大切にする。そこだけはこだわってきたので、これは性分かな。「社風作り」も含め人を丁寧に育てていく。人が成長すると嬉しいよね。これは私の趣味と実益も兼ねてるのかな。

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