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日本WeP流通株式会社
代表取締役社長 安田 修 氏

企業名:日本WeP(ウェップ)流通株式会社(旧社名:日本冷凍輸送株式会社)
本  社:東京都武蔵村山市伊奈平5-87-5
設  立:昭和55年7月
事業内容:輸送事業、センター事業、食品流通事業、引っ越し事業
従業員数:約200名(社員、パート含む)
車両保有台数:96台(主に中型冷凍冷蔵車を所有)  購入車両:小型アルミバン2台、大型アルミウィング1台


“仲間”である生産者の観点に立った物流を目指す

昭和47年(1972年)、大手スーパーマーケット(以下、スーパーとする)の
食品運送会社からスタートした日本WeP流通株式会社は、
長い歴史の中で食品輸送業界における“常識”を数多く作り出してきた。
全国の生産者と独自のネットワークを築き、
買い付け、配送、販売まで行う一気通貫の物流システムを実現。
柔軟性のある発想で、今なお食品流通業界を開拓し続けている。
令和元年、同社初となるドライバーから社長へ就任した安田 修氏に
事業への想いなどを伺った。

―事業内容を教えてください。

大きく分けて輸送事業、センター事業、食品流通事業、今年の1月から新たに引っ越し事業が加わりました。中でもメインとなるのは、輸送事業になります。東京・神奈川・埼玉・千葉の食品スーパーや産直チェーンへ商品を配送しており、また、全国の農畜産物生産者から直接買い付けや配送を行っています。トラックでの輸送事業は当社の根幹となっており、そのルーツは昭和47年に設立した「株式会社三宝食品」から始まります。

―三宝食品の設立から現在までどのような歴史があるのでしょうか。

三宝食品は、首都圏を中心に展開する現大手スーパーA社(以下、A社とする)への食材提供を担う食品会社として創業しました。その後、昭和55年に輸送部門を分離し、日本冷凍輸送株式会社を設立しました。設立当初は、現在では常識のセルフサービス方式※1は馴染みがなく、配達先店舗も少ない時代でした。
当社の会長(佐久間英和氏)は、20年以上同スーパーの仕入れ業務に関わっており、現代スーパーの礎を築いた2代目社長のもとで教えを受けておりました。A社が最新のチェーンストア方式・業態を知るべくアメリカで研修を行った際には、研修メンバーの1人として当社会長も同行しておりました。その後、縁あって平成7年に当社の代表取締役へ就任。環境事業として農畜産支援活水器※2の開発、日本創造エネルギー研究所の設立などを行い、活水器は口コミで全国の農家の方々へ使用の輪が広がっていきました。
しばらくして、活水器を利用する農家の方々と話す機会があり、その中で「こだわりある自分たちの農産物が、市場で差別化されずに売られてしまう」という意見を頂戴しました。そこで元より首都圏のスーパーと取引のあった当社にて、直接生産者から商品を買い付け、産直品としてスーパーへの納品までを担う食品流通事業を開始。生産者のこだわりが見えるスペシャルな産直品として店頭で扱えるよう販売ラインを構築しました。平成28年には日本最大の青果物取引所である大田市場に営業所を設けたことで、スペシャルな食材とスタンダードな食材、その両方を取り扱えるようになりました。昨年からは大手コンビニエンスストアの加工工場向けにB品(規格外品)の取り扱いを開始。これにより従来であれば生産者自身で消費・廃棄するほかなかったB品食材を総菜などの加工品原料として活用が可能となりました。
創立から現在に至るまで様々な変化が起こった当社ですが、その根幹はいつも生産者の思いを実現し、消費者に喜んでいただくために行動することにあります。そして、現在も変わらず生産者と消費者のため、両者間の橋渡しをすることが当社の役目だと考えています。

※1. お客様自身が店内を歩き商品を選ぶ方式のこと ※2. 分子振動活性装置「ハイエット」。使用することで水の分子集合体を崩壊・自由分子が倍増し、浸透・吸水性の高い水に変質させることが可能。

―貴社ではドライバー出身者初の社長御就任と伺いました。どのような歴史があるのでしょうか。


秋田から上京して様々な職を経験し、平成11年にドライバーとして当社へ入社しました。長距離や店舗への配送など現場仕事を一通り経験。会長に一から育てていただき、約10年経つ頃、取締役として就任しました。打診を受けた当初は悩みましたが、同僚からの後押しもあり「仲間のために頑張ろう」という思いで就任を決意し、今に至ります。
 4年前に秋田営業所を設立したのですが、実は僕の出身地であることも関連しており、知人の生産者から「秋田で新米を運送するトラックが足りない」と声がかかったことがきっかけでした。現在当社では収穫期になると約700t以上の米を動かしています。米農家は米を売るために、田植えから稲刈りや乾燥、さらに出荷まで行います。従来では運送業者指定の時間・集荷場所へ持ち込む必要がありました。当社では生産者の負担を減らすべく、生産者の動きに合わせ、現地へトラックが集荷に赴く方式をとっています。僕らは生産者の方々と本音で話し合う五分五分の関係であれるよう「荷主」という呼称ではなく、「仲間」と呼ばせていただいています。それは、単なる物流ではなく “仲間”である生産者の立場で行動する、という観点での物流を目指しているからなのです。

―社名にあるWeP(ウェップ)」の由来はなんでしょうか。

weak(ウィーク)、energy(エナジー)、photon(フォトン)を意味し、前の話にあった活水器の語源にもなっている「WePinside(ウェップインサイド)」からとっております。微粒子のことを表しています。これは「従業員1人では微粒子のように小さい力でも、仲間が集まれば1つの大きな力になる。その集合体こそが当社である」という意味が込められています。1人1人が努力し、仲間全体で高い創意を持ち、お客様のためというのはもちろん、仲間のために仕事をすることで、自身に何かあっても仲間が助けてくれる。みんなで一緒に、自分達の職場は自分たちで良くしよう、ということが経営理念の根幹でもあり、当社の企業風土となっています。

―今後のビジョンについてお聞かせください。

現在、当社の営業規模は30億、まだまだ発展途上といえます。これは各事業の責任者、そして僕自身の夢でもあるのですが、これを50億にしたいと考えています。経営というのは山登りと同じで、登れば登るほど次はもっと高い山へ登りたい気持ちが湧いてきます。僕らも数年後に50億という頂へ至り山頂からの景色を見渡した時、初めて100億という更なる高みが見えてくるのだと思います。そしたら「次はここより高い、あの100億の山へみんなで登ろう」と。これから先もそれの繰り返しなのだと思います。
10年後、さらにその先の未来、今以上に生産者や社員、すべての「仲間」たちと共に歩む企業として、内外ともに認められるような会社を作り出せるよう、今後も更なる高みを目指してゆきます。

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