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朝妻 誠 氏

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株式会社エーコー
取締役 / 工場長 兼 技術部長 朝妻 誠 氏

株式会社エーコー外観とトラック

『人々の暮らしを守り、家族の思い出を守る』
様々なストーリーに寄り添う“魔法の箱”は、その人生を語る

株式会社エーコー工場内本 社:東京都墨田区立花2-5-4
茨城工場:茨城県久慈郡大子町336-1
事業概要:金庫製造業
設  立:1973年12月
従業員数:153名
(生産部門82名、営業部門71名)
転貸車両:4tアルミウイング
(日野中型ウィング)
2019年7月26日~2021年7月25日

1973年創業の金庫メーカー・株式会社エーコー。
社長の中村胎三(なかむらたいぞう)氏は久慈郡大子町出身。
1974年、小型金庫量産工場を建設し本格的な量産製造を開始。
その後1978年に業務用工場として第2工場が、小型~中型金庫製造のための第3工場が1981年に完成。
翌年1982年には配送センターの稼働が始まる。
巧妙化する犯罪や予期せぬ自然災害。人々の暮らしが変化する中で、財産を守る総合セキュリティメーカーとして安心・安全の社会づくりへと、その役割を見据える。
創業の地・久慈郡大子町にある茨城工場・配送センターで、朝妻誠工場長にお話を伺った。

株式会社エーコー工場内観と外観

―業務内容を教えてください。

「入社して42年。去年11月に工場長に就任したのですが、私はもともと技術部育ちで金庫の設計をしていました。一つの金庫を作るのに一つ一つの部品から設計していきます。
入った頃はドラフター(製図台)で図面を引いていましたが、20年ほど前、私が40歳の頃にCAD(設計ソフト)が導入された時は馴染むまでに苦労しましたよ。今となっては昔のような図面引きはできないですがね。忙しい時には今でもCADで図面を書いています」

―従業員の方は地元出身者が多いと伺いましたが。

「田舎の工場ですからね。親子や兄弟で勤めていたり、先輩後輩の繋がりも強いです。また地元の高校や隣町にある工業高校からの企業見学もありますが、工場の様子はときめくようで新卒者の入社も多いですね。近隣からの勤務者が多いので、地域とともにある企業だと感じます」

―1日の製造台数は?

「金庫はサイズや性能様々です。1日に3種類も4種類も組み合わせて製造したり、お客様のご要望によって設計が変わる商品もあるので、多品種・小ロットで動いています。また、ここ第2工場はJIS認証工場になっているので他の工場じゃできないJIS認証製品の製造を行っています。OEM商品へ施錠機能の取り付け工程などもありますから、1日に完成するのはトータルで25台ほどですね」

 小型の小型の家庭用金庫から大型の業務用金庫、超強力金庫など種類は様々。30キロサイズから大きいものでは1トンを超えるものも。金庫は大きく分類すると耐火金庫、防盗金庫、データセーフ、耐火キャビネットに分けられる。データセーフは磁気メディアを保管する特殊なもので耐火基準が非常に厳しい金庫とのこと。またロックシステもダイヤル式やテンキー式、カード式など様々。10年前には考えられなかった顔認証も最近は増えているそう。金庫本体×施錠数の組み合わせになるため、金庫の種類は数限りない。

「タイの工場では1日約1,200台くらい作っています。それをほぼ毎日、船で日本に入れ、そのままの状態で市場に出すものもあれば、トラックでこちらの工場に入れ、取付や検査、重要な部分をつけて出荷するものもあります。この工場で最初から作るもの、半製品として外枠ができているものに最終工程を加えるものなど金庫製造も様々です」

―『リースdeスグのりPLUS+』導入の経緯

「現在は、3つの工場と配送センター間を往復する専用車両として、昨年7月から新車で2年更新型の『リースdeスグのりPLUS+』で4tアルミウィングを利用しています。以前は外部の車両を借上し運用していたのですがドライバーの高齢化とともに車両も変えることになり、以前から付き合いのあるタカネットサービスグループの運送会社・株式会社タカロジに紹介してもらいました。新車に乗れるという点に惹かれまして(笑)
ドライバー2名が1週間交代で乗っています。工場の製造状況で往復頻度も変わりますが100キロほど移動する日もあります。1年間利用してきましたが2人がとても綺麗に乗ってくれているのが自慢です」

 以前は外部の借上車両を使用していたそう。導入に至った経緯は、維持費がかからないことや固定費を経費計上できるという点から現在は、工場で使う7台(1.5tトラック2台、乗用車4台、軽トラック1台)を全てリース車両に切り替えたとのこと。ドライバーみんなで車体の洗浄をしたり、普段の乗り方から気をつけたりと、リースであるからこそ車両を大切にしようという意識に繋がっているのだそう。1年が経過した転貸車両の4tアルミウィングの運転席を「新車のままでしょ!」と見せてくれた。

株式会社エーコー作業の様子

―自然災害が増え、時代とともに人々の価値観も変わってきたのでは?

「東日本大震災では津波で流された5,700個の拾得物金庫の96%が持ち主に返還されました。集められた金庫を警察官立ち合いのもと、私どもで幾つも開けました。そういう意味では、一度大変な経験をされた方は金庫の重要性を知っています。
これからも「大切なものを守る」ということを提供していかなければと思いますね。ここ数年は自然災害も増え、一瞬にして大切なものを失うことを私たちは経験してきました。だからこそ、お金だけではない大切なもの、家族の思い出が詰まった“魔法の箱”が一家に1台ある必要性を感じます。
以前、金庫に大事なものが入っているから早く開けてくれというおじいさんから依頼が来まして。1時間も待てないという事で急いで行って開けたら、中から入れ歯が出てきました。
“これがないと飯が食えないんだ!”という話で、その方にとっては大事なものですよね。また、おじいさんを亡くしたおばあさんに依頼されて金庫を開けたら、中から写真とおじいさんから貰った手紙が出てきた。そんなこともありましたよ。金庫とはそういうものです。他人にとってはそんなものと思うようなものが、紙切れ一枚でも思い出の品なのだということ。お金は稼げますが、思い出は本人にとってお金以上に大切なものなんですよね。
今、この業界だと金庫の耐用年数は製造後約20年と言われています。永遠に使えるものではない。20年以上経っていれば買い替えの時期です。耐火材に含まれる水分が製造後少しずつ気化して20年を経過すると約20%消失されます。そのため、水分量の低下とともに、耐火性能が低下することとなります。大切なものを保管するからこそ耐用年数の意識も重要ですね」

「単なる箱を売るのではなく、安全・安心を販売できることが一番いい」朝妻工場長

―今後の夢を教えてください。

「弊社は今年48年目となりました。あと2年で半世紀です。50年近くをかけて業界ナンバーワン企業となりました。これまでの歴史があり、先人たちが作ったベースがあるので、私はそれを継承できればと考えています。
現在、弊社は、従業員が約150名おり、従業員の家族を含めると400名以上が弊社にかかわりがあります。その家族が安心して生活できる環境を維持することが大事。金庫という物理的な安心・安全を販売することと、基盤としての生活を守る、会社を守ることを続けていければと考えています。
今は犯罪も増えているので、強盗が入ってきたときに逃げ込める特殊なストロングドアも製造しています。安心して生活できる商品を、今まで以上に開発していかないといけない。
まして新型コロナウィルスで全世界が不況の状態で、弊社も例外なく影響を受けていますからね。これからは全員でアイデアを出して新しい商品をどんどん製品化し、最終的には総合的なセキュリティメーカーとしてやっていきたいと考えています。
この街に工場が出来、約半世紀、私たちは大子町とともにあると思っています。今後も地域の活性化と合わせて職場も発展させて行きたいと思います。若者もいますからね、仕事を提供できるように維持していかないといけない。“地元に夢がある”これを100年、200年続けていく。この土地に暮らす社員、家族が安心して生活できるというものを継続していくことが、企業としての使命だと感じています」

 盆地のため夏は暑くて冬は寒い久慈郡大子町。だからこそ自然の恵みがたくさんある。樹上で完熟させる“奥久慈りんご”は大子町の自慢とのこと。
取材終わりには、日本三名瀑の一つに数えられる“袋田の滝”もぜひ観に行ってみてください、気持ちいいですよ!と勧められた。滝の流れが大岩壁を四段に落下することから”四度(よど)の滝”と呼ばれている。なるほど、たしかに、この壮大な滝の流れを見つめていると体の中を新鮮な空気が流れていくのを実感する。
株式会社エーコー。社員のこの土地に対する誇りが、半世紀にも渡ってここに根付く企業の力強さに繋がるのだと感じた。

四度の滝

リースdeスグのりPLUS+ 車両、大活躍!
日野 中型アルミウィング(レンジャー)

日野 中型アルミウィング(レンジャー)

現在リース中の平成31年式日野レンジャー中型アルミウィングは、6200ワイド、240馬力、ETC、バックアイカメラ付。

 

 

 

 

現在リース中の平成31年式日野レンジャー中型アルミウィングは、6200ワイド、240馬力、ETC、バックアイカメラ付。

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