月刊トラックランドONLINEとは

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株式会社竹内運輸
常務取締役 丹羽 敏之 氏

本社:群馬県高崎市倉賀野町2460-8
事業内容:運送業
従業員数:22名(うちドライバー18名)
車両保有台数:アルミウィング1台、平ボディ2台、トレーラー15台

~コロナで変化する運送業界~

 

丹羽 敏之 氏とトラック

タカネットサービス創業初期からご愛顧いただいている『株式会社竹内運輸』
竹内運輸は群馬県高崎市に本社を構え、トレーラーでの重量物運送を主に行っている。
今回は、ご利用経緯や、コロナ禍の業務、今後の運送業界について常務取締役の丹羽敏之氏にお話を伺った。

 

―トラックランドを選び続けている理由

Q:トラックランドをご利用されたきっかけは何ですか?

A:先代社長から現社長に引き継ぎがあった10年程前、買取の問合せをしたのがきっかけです。
先代社長というのが他所に中古のトレーラーやトラクタへッドが出ると買い集める人だったんです。その時期はトラクタヘッドと連結しているトレーラーが約20台、連結していないトレーラーが約30台もあったから、トータルですごい台数になっていたんですよ。
「こんなにたくさんはいらない。」となり、そこでトラックランドへ問い合わせました。
これまでに結構な台数のトラックを買い取ってもらっています。
当時はトラックランド創業間もなかったので西口さん(弊社代表取締役:西口高生)が対応してくださり、その頃から本当に良くして頂いています。
「トラックが足らなくなってしまったので、用意して欲しい。」と言うと、すぐに用意してくれるんです。今回納車して頂いたトラクタヘッドもうちの車両が急に足らなくなった時に、いろいろな要望に沿ったものをすぐに用意してくれました。
今の時代は買取業者は沢山あるのでうちにも電話がかかって来ますが、トラックランドがあるので全て断っています。

―創業当時について

Q:いつ頃から勤務されていますか?

A:私は創業(昭和52年)当時からいたんだけど何度か出たり入ったりしてね。勤務は25年くらいになります。
創業当初は保有台数がトレーラー1~2台、トラック5台。従業員も5~6人から始まりました。その時はまだトレーラーがメインではなく、10tトラックがメインでした。
竹内運輸にいないときは、やはり車が好きだったから変わらずドライバーをやっていました。最初は4tトラック、次に乗りたくなったのが大型トラック、その次がトレーラー。でもトレーラーに乗っていたら「そう言えば観光バスに乗ったことなかったなぁ。」と思って、今度は観光バスに乗ったね。観光バスに乗っていたら今度は観光会社も面白そうだなと(笑)
でも、しばらく観光業をやってから「やっぱりトラックがいいや。」と思って竹内運輸へ戻って来たんです。
戻って来た頃は創業当時とはそんなに変わっていなかったけど、近年は重量や休憩時間といった規制がいろいろ増えていますね。そのため運送業界自体がやり方を変えていかなければならなくなっています。
昔なら調子が良ければ群馬から出て、大阪でも九州でも行って構わなかったけど、今はもう自分が眠くなくても4時間以内に30分休憩は必ず取りなさい、と決まっていますから。
だから運行管理がとにかく大変。1日で8時間、1週間で、1か月で、といった時間規制がある上で連続運転をしてはいけない、というジレンマがありますから。長距離輸送をやっている企業はその辺が一番苦しいところです。そういった部分を含めて運送業自体が変わってきていますね。
昔大型は10t、トレーラーなら20tと、いっぺんに荷物を運べるからトレーラーの方が運賃的にもメリットがありました。荷物も重くなったり長くなったり、電柱のような15mくらいある荷物を運ぶにはトレーラーでないと出来ないし、10t以上となるとトレーラーで運ぶしか選択肢がない、といった点から段々と世の中がトレーラー輸送に流れてきた時に先代社長がそこに目を付けて、周囲がトレーラーに乗り換え始めるより少し前にトレーラー輸送へ方向転換したんです。
創業した頃はまだ東北で山の電柱工事が盛んだったからね。最初は仙台に運んでいて、宮城、岩手、秋田、青森といった東北方面へ電柱の輸送をしていました。
しかし、段々と電線を地下に埋めるようになり、今では東北で電柱の需要が少なくなったんです。そのとき電柱を製造していた荷主さんが、新幹線用の電柱や都内の街灯等の製造へ方向転換をしました。そんな経緯で荷物も創業当時から変化してきましたね。

ご利用車両の紹介1

―運送業×コロナについて

Q:普段の業務で大変なことは?

ご利用車両の紹介2

A:トレーラーメインで運用していますと、重量等の規制があるので運行管理が大変です。
トレーラーには一般道を走行する場合は25tまで積んでも大丈夫だけど、高速道路を走行する場合は総重量が44tまでという規制があるんです。トラクタヘッド、トレーラー、それに荷物を積んでの総重量が44t。これを超えると高速道路は走っちゃいけません、という内容です。
だからといって一般道路だと間に合わないからどうしても高速道路を走るしかない。
そうするとトラクタヘッドを10t、トレーラーを10t、ワイヤー等を3tと見積もって計算したら、それだけで23tになってしまい、結果として21t程度の荷物しか積めなくなってしまうんです。
高速道路は出入口で結構見ていますからね。それで捕まって、量って、44tオーバーしているなんてことになれば、高速道路を走れなくなってしまいますから。現状はそういうペナルティがあるので結局トレーラーに荷物を多く積めません。
荷主さんにも「ペナルティを受ければ荷主さんにも影響が出る」とお話をしています。今は『44t以上は積まない』というのが日本全国に広まってきているから、荷主さん側も21t程しか積ませないですね。

Q:主な荷主さんについてお聞かせください。

A::この辺であれば、安中市にある一部上場の亜鉛会社を始めとする3社が主な荷主さんになります。
運ぶ荷物は亜鉛インゴット(亜鉛の塊)、鉄のインゴット類になります。亜鉛インゴットは1つ1t位あるものを、20t~25t程度積んで、各地に運びます。
お客さんから「大阪で荷物が出たよ。」と言われれば大阪、四国や九州で荷物が出れば四国・九州、というように前日に荷主さんから出た要望の場所なら、日本全国どこへでも行きます。
なので配達エリアはどこまでか?と問われたら、「どこへでも。」と言えます(笑)
ずっと受注している仕事ではあるんだけど、昨年頃から急に増えたのが新幹線のレール脇に立っている電柱を運ぶ依頼です。今ちょうど隣の藤岡市で、新幹線の延伸工事をしているんですよ。
北陸新幹線もいまや金沢まで来ていて、それが今度前原にもつながるのかな?そのレール脇に立つ電柱を運ぶ仕事を受注できたので、コロナの影響下にある今は非常に助かっています。

Q:やはりコロナの影響は大きかったですか?

A:そうですね、コロナ騒動になってから5月、特に6月はひどかったです。
世間では「中小企業の売上が前年同月と比べ50%減少~」だなんて言ってはいますが、50%までになったら会社はやっていけないですから。 仮に200万円稼げていたのが、100万円になってしまったらやっていけないですよ。
これが限定的ならいいけど、コロナというのはじわりじわりと影響が出てくる。4月から始まった緊急事態宣言も5月末に解除されて、これでもう大丈夫かな?と思っていたらとんでもない。解除になってからもコロナ感染のリスクはありますからね。
海外から船が入って来ない。結果、港関係の重量物が動かない。船が来ないから荷物がない。大手ゼネコンの大きい工事などは何かあって工事中止となると、全て止まってしまうんですよ。そうなると今度は工事に使う鋼材が動かなくなる…。
そういう状況だからこそ、新幹線関係の仕事は恩恵が大きかったです。新幹線の工事自体は今後もしばらく続くのですが、これからもこの仕事を受注できるようにしたいですね。

Q:コロナ禍において特別な対策などはされましたか?

A:とにかく1台でも2台でも多くトラックを動かしていられるように、いろんな所へアプローチしました。
コロナ影響下、裏を返して今忙しい会社はなんだろう?と考えてみた時に、コロナで従業員が休みになっているから工場内のメンテナンスをするという会社が仲間内にあったんです。そこへ「うちもトラックが空いているから荷物運べるよ」と。
乗務員にしてみれば走る仕事がないと何もできないですからね。

Q:重量物輸送において特に気を付けていることはありますか?

A:トラブルがあると親会社まで影響が出ますから、失敗の無いように気を付けています。
やっぱり重量物ですから、少し縛り方が違うだけで動いてしまうんです。その為新しく入社した乗務員へは最初に「とにかく事故を起こさないように。」と、荷物の縛り方にしても積み方にしても常々注意しています。
「お客様から預かっている荷物だからとにかく注意して、わからないことがあれば先輩や会社に、動く前に聞きなさい。」と、社員教育についてはうるさいくらい言っています。そういった安全面での実績があるからこそ、先ほど話した新幹線の仕事にも繋がったのだと思っています。

株式会社竹内運輸外観、内観

―今後の夢

Q: 今後の夢はありますか?

株式会社竹内運輸様 丹羽 敏之 氏
A:もっとこの会社を軌道に乗せたいよね。今のコロナ禍を過ぎて、毎日心配なく走る仕事があるように。
そうすれば自然と会社の経営も良くなるし、それは乗務員にとってもいいことだからね。できればもっと車も増やしていきたいです。
今はコロナが脅威となっている時期だから、政府の方から大きな公共事業でも出して頂いて、9月辺りからある程度は建設関係なんかも動いてくれればと思っています。
コロナ前の80%、そして90%、一年後には100%に戻れば…という期待はしていますね。
その為にもとにかく事故を起こさないように。1度失敗して「そんな失敗するなら他所に頼むよ。」と言われたら終わりですからね。それが死活問題につながりますので、「お客様を大切に。お荷物を大切に。」というのは常に心がけています。
2022年には120%くらいまでいきたいですね。「トラックランドさん、仕事増えちゃってトラックが足らないから今すぐ持ってきて!」なんて言いたいです(笑)
会社に来ても暇だとつまらないし、昔は会社で電話をし過ぎて家に帰ってから何かを喋るのが嫌になるくらい忙しかったから、そのくらいになるまで盛り上げていきたいですね。

Q:丹羽さんのご趣味は何ですか?

カメラで孫や風景を撮影したり、土曜日はなるべく早く帰って孫と一緒にバドミントンをしたりとか、そういうのが癒しや息抜きになりますね。

丹羽さんが撮影した桜

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